イベント

マネ最晩年の傑作

コートールド美術館展  魅惑の印象派

 

「コートールド美術館展  魅惑の印象派』 (東京都美術館、12月15日まで)に行く。
上野に、人が 戻ってきた。夏の暑い盛りは、あんなに 閑散としていたのに 動物園や美術館に向かう人の列は、絶えない。
マネ最晩年の傑作といわれる「フォリー  =  ベルジェールのバー」のおかげかもしれない。なにしろ、テレビの美術番組では、彼女の後ろ姿が、鏡にズレて描いてあることが、さかんに語られていたから。
図録にも、マネのモデル・友人・恋人であったメリー・ローランとされる。鏡の枠。画中のほとんどが鏡の中の世界である。大理石のカウンターに並ぶボトルは、鏡にも映るが、位置や本数は正確ではない。…… などと細かくコメントがある。
帰りに、ポストカード、やっぱり、これを買う。

 

コートールド美術館展  魅惑の印象派


『話しているのは 誰?』6人の作家に潜む文学

『話しているのは  誰?』6人の作家に潜む文学 『話しているのは  誰?』6人の作家に潜む文学

 

『話して  いるのは  誰?  現代美術に潜む文学』(国立新美術館、11月11日まで)に行く。
作家と作品についてパンフレットの紹介から。
〈…… 本展に参加する6名の作家は1960年代から1980年代生まれまでと幅広く、表現方法も映像や写真を用いたインスタレーションをはじめとして多岐にわたります。これら作家に共通するのは、作品のうちに何らかの仕方で文学の要素が色濃く反映されていることです。……〉

その6名の作家の方々は、北島敬三、小林エリカ、ミヤギフトシ、田村友一郎、豊嶋康子、山城知佳子。

 


エドワード・ゴーリーの不安

『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』展

『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』展

『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』展

 

『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密』展(練馬区立美術館、11月24日まで)に行く。
〈  アメリカの絵本作家エドワード・ゴーリーは、アイロニカルで少し不気味な独特の雰囲気と繊細なモノクロームの線描で、世界中の人々を魅了してきました。〉……と、案内の文章に書かれている。
そして、この展覧会のための図録の最初のページにある最初の文章は、こんなふうだ。
〈 どういうわけか、人生におけるわたしの使命は人をできるだけ不安にさせることなんですよ。人はみんなできるだけ不安になるべきだと思うんです。世界というのは不安なものだから。…… エドワード・ゴーリー。〉

いやもう、十分に不安です。

 


今森光彦さんの里山

今森光彦展  写真と切り絵の里山物語

今森光彦展  写真と切り絵の里山物語

『今森光彦展  写真と切り絵の里山物語』(松屋銀座、9月4日まで)に行く。


〈 人と自然がともに生きる “里山 ” 。その中で生み出される豊かな営みを見つめつづけてきた写真家・今森光彦さん。琵琶湖を望む田園風景の中にアトリエを構え、四季折々に移り変わる田んぼや里山に集まる生き物を撮り続けてきました。今森さんはまた、蝶や鳥、植物をモチーフに、精緻で生き生きとした作品をつくる切り絵作家としても知られています。……〉
と、会場の紹介にある。

写真と切り絵で見る、里山の四季。切り絵のカードを3枚、買う。なぜか、これで、夏の終わりのような。


原田治 かわいいが イッパイ

『原田治「かわいい」の発見』展

『原田治「かわいい」の発見』展 ( 世田谷文学館、9月23日まで )に行く。
〈1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMU  GOODS  (オサムグッズ)」の生みの親、原田治(1946 ~ 2016)〉……  の展覧会。

『 OSAMU’S  A to Z 』という、この展覧会の公式図録に、原田治さんの「イラストレーターとは」の答えが載っている。こんなふうに。
「イラストレーターは芸術家ではなくてお客さんを喜ばせる芸人。イラストレーションの面白さはエンターテインメント性にある。僕は人の喜ぶ顔を見たくてイラストを描いています」。

 


スイミーの夏休み

みんなの レオ・レオーニ展

みんなの レオ・レオーニ展

 

『みんなの レオ・レオーニ展』(損保ジャパン日本興亜美術館、9月29日まで)に行く。READING  LEO  LIONNI  , AGAIN. 

〈  赤い色をしたきょうだいたちの中で、唯一黒い魚の物語 『 スイミー』。小学校の教科書に掲載され、日本全国で親しまれています。作者のレオ・レオーニは、イタリアやアメリカでグラフィック・デザイナーとして活躍した後、『あおくんときいろちゃん』で、初めて絵本の世界に足を踏み入れました。…… 〉と、パンフレットにある。
「スイミーが、日本にやってくる !  」というフレーズも。若いひとたちが、多い。ここにも、夏休みの名残り。絵葉書を3枚買って、近くのカフェで、涼しい気分で、眺めた。

 


ちびまる子ちゃんの夏休み

『ちびまる子ちゃん』展

『ちびまる子ちゃん』展

『ちびまる子ちゃん』展

 

『ちびまる子ちゃん』展(銀座松屋、8月26日まで)に行く。アニメ化30周年、ということである。

作者のさくらももこさんは、2018月8月15日 に亡くなった。あの「おどるポンポコリン」は、高校野球の応援歌として人気があり、ある年の夏、あちこちの球場で演奏されたものだ。さくらさんは、静岡県清水市の出身。作家の村松友視氏も、清水で育った。「私、ちびまる子ちゃんの味方です」というエッセイを、村松氏に書いてもらったことがある。
ショップに、たくさんのグッズが、並んでいる。ノートを2冊、買った。親子連れが多い。いかにも、夏休み。

 


『忍たま乱太郎』の夏休み

忍たま乱太郎展

 

『忍たま乱太郎展』(杉並アニメーションミュージアム、11月24日まで)に行く。
ご存じですよね、忍者学園での生活ぶりを。夏休みの子ども向け企画だから、登場人物の展示に引き寄せられている子どもが多い。アニメが上映され、スタンプラリーがあったり、グッズの販売もあったり、ワークショップが開かれたり…… という内容。
まだ、この漫画が話題になり始めたとき、作者・尼子騒兵衛さんに、自身のことを原稿に書いてもらったことがある。尼子さんは、その頃、たしか電通にお勤めだったような。それももう、ふた昔以上前の話だ。

 


『伊庭靖子』展への道

伊庭靖子展

伊庭靖子展

 

『伊庭靖子展』(東京都美術館  ギャラリーABC、10月9日まで)に行く。「まなざしのあわい」というタイトル。展覧会にちなんで出版された図録の初めに、東京都美術館からの、こういう「ごあいさつ」が、のっている。

〈  ……  学生時代には版画を学んだ伊庭ですが、1990年代半ばから油彩画に取り組み始めました。その頃から、自ら対象を撮影し、その写真をもとに絵画を制作しています。とはいえ、伊庭の絵画は、いわゆるフォトリアリズムを目指すものではなく、まなざしのあわい(間)にある光や空気といった「見えない」ものの存在を巧みにとらえながら、「見る」という行為そのものに私たちの意識を向けさせます。…… 〉

それにしても、いつもは家族連れや修学旅行生や外国人観光客などで、いっぱいの公園口からの動物園への道は、誰もいない。熱い陽射しが降りそそぐだけ。


「ポーの一族展」 熱視線

萩尾望都  ポーの一族展

『萩尾望都  ポーの一族展』(松屋銀座 8階イペントスクエア、8月6日まで)に行く。

〈「ポーの一族」を中心に半世紀の軌跡をたどる原画展  〉であり、
〈  少女マンガに革新をもたらした萩尾望都さんの代表作「ポーの一族」。バンパネラ(吸血鬼)の一族に加えられ、少年の姿のまま永遠の旅を続ける主人公・エドガーの哀しみを描いたこの作品は、1972年の第1作から多くの読者を魅了してきました。 …… 〉と、パンフレットの紹介。原画あり、宝塚公演のときの衣装あり

観客の99%が女性であり、その99%が中年である、ということは、べつに不思議ではないが、その熱視線には、やはり驚かされる