印象派とオレンジ・ペコ

印象派への旅  海運王の夢  ー  バレル・コレクション

 

オレンジペコ

 

『印象派への旅  海運王の夢  ー  バレル・コレクション』( Bunkamura  ザ・ミュージアム、6月30日まで)に行く。ついこの間、令和のカウントダウンで沸いた道路を横切って行く。

〈英国から日本へ初航海 !門外不出の名画 ドガの《リハーサル》〉
〈海運王のコレクション、初めての船出。  ドガ、ゴッホ、クールベ、ブーダン……〉
〈イギリスの “海運王”  ウィリアム・バレルが  夢を託した選りすぐりの名画、初来日 !〉
などという展覧会パンフレットのコピーで、その雰囲気は、おわかりいただけるだろうか。

帰りに、ショップで、紅茶  オレンジ・ペコを買う。これが、この展覧会にふさわしいもののような気がした。

 


長崎の街の写真屋さん、閉店す

カメラのフォーカス 長崎パチリ

 

もし、この「広場」に、よく遊びにいらっしゃる方なら、「長崎パチリ」という長崎の街の写真屋さん・フォーカスのコラムを、ご記憶だと思う。アマチュアカメラマンの1枚の傑作。そして、手書きの新聞。毎月、長崎ならではの撮影会のお知らせ。年末には、写真年賀状をつくるお誘い。などが、のっていた。そこに、いま、こういうご挨拶がある。

〈  フォーカスは5月半ばをもちまして、お店を閉めさせていただくことになりました。プリント数減少により、店を維持することが困難になり、この度、苦渋の決断に至りました。街の中の写真屋としての役割りを全うしたいという想いで、ここまでつとめてまいりました。志半ばでの閉店に、ご利用頂いている皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいです。……〉

フィルムのカメラからデジカメへ、スマホへ。そういう時の流れに、精一杯の抵抗をつづけてきた街の写真屋さんに、かける言葉が見つからない。
(コラム「長崎パチリ」は、こちらからごらんいただけます)

 


薫風、そして、キスリング

キスリング展 ー  エコール・ド・パリの夢

キスリング展 ー  エコール・ド・パリの夢

 

『キスリング展 ー  エコール・ド・パリの夢』(東京都庭園美術館、7月7日まで)に行く。

〈……  丁寧な筆致による洗練されたレアリスムと、静謐なムードに満ち、輝かしく官能的な色彩によって、キスリングはエコール・ド・パリの重要な芸術家として位置付けられるのです。 …… 〉(パンフレットから)

帰りに、クリアファイルと絵葉書を、おみやげに買う。5月の風が、心地よい日。

 


あなたは何派? 右脳? 左脳?展

information or inspiration?

information or inspiration?

 

『information or inspiration? 』展(サントリー美術館、6月2日まで)に行く。「右脳と左脳でたのしむ日本の美」ということである。それについて、パンフレットの文章は、以下のごとく。

〈人は美しいものに出会った時、2種類の感動のしかたをします。作品の背景や制作過程、作者の意図や想いを知ることで生まれる感動、そしてもうひとつは、ただただ理由もなく、心が揺さぶられる感動です。本展は、デザインオフィス  nendo  代表・佐藤ナオキさんが提案する左脳的なアプローチ、右脳的な感じ方の双方で、日本の美術をたのしんでみる展覧会です。つまり、1つの展覧会のようで、2度たのしめる展覧会なのです。 ……〉

1粒で2度おいしい、というお話。
帰りにショップを覗くと、なぜか、金沢の郷土料理・治部煮がある。3度 おいしい展覧会。

 


令和元年の『ウィーン・モダン』

『ウィーン・モダン』展

『ウィーン・モダン』展

『ウィーン・モダン』展

『ウィーン・モダン』展

 

『ウィーン・モダン』展(国立新美術館、8月5日まで)に行った

〈ウィーン世紀末の全貌を  まだ、あなたは知らない。〉、〈本展は、ウィーンの世紀末文化を「近代化への過程」という視点から紐解く新しい試みの展覧会です。〉
ということで、グスタフ・クリムトやエゴン・シーレの絵あれば、オットー・ヴァーグナーの椅子、そのほか、ドレスあり、ブローチあり、花入れあり……。

帰りに、ショップで、缶入りの紅茶と4Bのエンピツを1本、買った。気がつくと、入り口でもらった記念のカードに、令和元年五月一日という印。

 


浮世絵のなかの子どもたち

遊べる浮世絵展

遊べる浮世絵展

遊べる浮世絵展

『遊べる浮世絵展』(練馬区立美術館、6月9日まで)に行く。
「江戸の子ども絵・おもちゃ絵大集合」である。たとえば……

プロローグ、 「浮世絵と江戸文化」では、ほうづきづくし ほたるがり  歌川国芳、ほか  。1 「愛される子どもたち 」 では、夏姿母と子  鈴木春信、ほか  。2 「 遊びと学び」では、  風流おさな遊び   歌川広重、ほか  。3 「子どもと人気のキャラクター 」では、  桃太郎  勝川春山、ほか 。4  「遊べる浮世絵 」では、うし若丸一代記  長谷川貞信、ほか。という具合。

〈……   本展では、こうした江戸時代の子どもたちの生活の様子や、当時の遊びを題材に、大人も子どもも楽しめる浮世絵の世界をご紹介します。〉とのこと。

帰り、ショップで、絵葉書三枚。


連休の中の「ルート・ブリュック」

 

『ルート・ブリュック  蝶の軌跡』展

『ルート・ブリュック  蝶の軌跡』展

 

『ルート・ブリュック  蝶の軌跡』展(東京ステーションギャラリー、6月16日まで)に行く。


〈北欧・フィンランドを代表するアーティスト、ルート・ブリュック。名窯アラビアの専属アーティストとして約50年にわたって活躍し、初期の愛らしい銅板から膨大なピースを組み合わせた晩年の迫力あるモザイク壁画まで、幅広い作品を手がけました。……〉(同展のパンフレットから)

連休の東京駅は人人人人。一歩、中に入ったステーションギャラリーは、静かでゆっくり楽しめる。


夏場所『稀勢の里』展

夏場所『稀勢の里』展

 

『第七十二代横綱 稀勢の里』展(両国相撲博物館、6月14日まで)に行く。
出迎えてくれるのは、現役二人の横綱の看板。館内に入ると、稀勢の里愛用の綱、明け荷、さがり、ゆかた、下駄、足袋……。もちろん、それぞれが大きいが、足袋は、長靴のようにみえた。3枚1組、数量限定、という稀勢の里の絵葉書を買う。やがて、夏場所。

夏場所やけふも土俵のあれに荒れ     久保田万太郎     という句を思い出した。

 


『クリムト展』のおみやげ

クリムト展

クリムト展

 

『クリムト展』(東京都美術館、7月10日まで)が、始まった。

この展覧会にちなんだ本を読んだ。
そこにある『「生命の円環  ー  クリムト自身を映す象徴主義」マークス・フェリンガー』の文章の中で、クリムトが自身を語るのは、珍しいものだとしながら、こういう言葉を紹介している。
〈私について知りたい人は、芸術家としてしか見るべきものはないのですから、私の絵を注意深く観察するべきであり、そして私が誰で、私が何をしたいのかをその作品から理解しようと試みるべきなのです。〉

観ての帰り、ショップで、一緒に仕事をしているMさんへのおみやげを、探した。Mさん、金箔入りワインを買ったからね。

 

 


御即位30年記念

『両陛下と文化交流』展

『両陛下と文化交流』展

『両陛下と文化交流』展(東京国立博物館で、4月29日まで)に行く。〈特別展  御即位30年記念〉〈日本美を伝える〉という言葉が、タイトルに添えてある。
そして、東山魁夷筆の「御即位の行事を飾る屏風」など。「天皇皇后両陛下の外国御訪問に紹介された名品」として、岩佐又兵衛筆の絵巻など。そして「皇后さま  お召しのイヴニングドレス」も。
昭和も初めの頃のお生まれ、と思われる女性客が9割。昭和も遠くなりにけり。ショップで買ったゴーフルも、さすが、金の缶入りでした。