アベノマスク、來る

アベノマスク

 

郵便受けに、ボンと届いていた。意外な感じ。それというのも、前日、国会中継を見ていたら、まだ、全国4パーセントしか配られていないようだが、そんなものは、もうやめて、別のお金の使い途を考えたらどうかというやりとりがあったからだ。まだ 都内の家なんかに届くのは、先のことだと思っていた。
小さい、汚い、遅い……などなどと、悪評サクサクのマスクは、これかい。写真でお見せしても、なんていうこともないでしょうが。

マスクしてふところ手して何おもふ     
というのは、久保田万太郎の句でしたか。

 


追悼 平良敬一さん

平良敬一さん

 

平良敬一さんが、亡くなられた。享年94。その著書『平良敬一建築論集 機能主義を超えるもの』(風土社刊)に 、建築家 磯崎 新氏が、こういう文章を寄せている。引用させていただく。(写真は、その出版記念会から。中央が平良氏)

………

対抗者 平良敬一

対抗者の視座がある。抑圧されている側によりそって、運動を起こしている。
事件の渦中に好んで入っている。
ユートピアが死んで、マニフェストが無効になった時代の近代建築を
新しい媒体としての建築雑誌(メディア)をつくりだすことによって活性化する。
宮古島生まれのオキナンチュウヒララが記しつづけたのは、
中心にある権力に対して、これを足元からゆすぶりながら
崩していこうとする南島の風土に根づいた記憶にある。
いつも控え目ではにかんでいる。だが編集の手つきは過激である。
ゼネコンのつくった編集部にいながら、
町の工務店の手仕事を扱うメディアをつくりはじめる。
テクノクラートがつくる都市を批判して、エコがつくりだすすまいをさがす。
91歳のいまも、対抗者でありつづける。

…………

ご冥福をお祈り申しあげます。

平良敬一建築論集 機能主義を超えるもの』は、風土社刊。発売中です。

 

平良敬一建築論集 機能主義を超えるもの

 


ベニシアさんのテレビ番組

古民家暮らしを営むベニシアさん

 

4月26日夕方6時からNHK-Eテレで『猫のしっぽ  カエルの手」の特集編が、放送された。外出自粛のおり、家でご覧になった方も多いだろう。

番組は、ベ二シアさんの人生の旅をたどる。イギリス貴族の家庭に生まれた1人の少女が、その生活をこっそり抜け出して新しい世界へ、と夢見るところから始まる。そして、旅の途中で出会った友人……アメリカ男性、畳屋さん、陶芸家、現在の夫。そして、京都大原の古民家、ハーブの庭、ハーブ料理……。楽しい旅ばかりではなかったろう。「雨の中で踊るのが人生」という、番組のサブタイトルが、心にしみた。

ごらんになった方も、見逃した方も、『ベニシアと正、人生の秋に - 正  ありがとう  。すべて、ありがとう』〔風土社刊・好評発売中)を、ぜひ。

 

ベニシアと正、人生の秋に

 


今夜、ベニシアさんのテレビ

古民家暮らしを営むベニシアさん これまでを振り返る特別編

 

NHK_Eテレで、今日 夕方 6時から「古民家暮らしを営むベニシアさん これまでを振り返る特別編」が、ありますね。古民家、ハーブ、友人……と、新聞の予告にある。楽しみに。

そして、傍にこの一冊『ベニシアと正、人生の秋に』を、ぜひ。

 

ベニシアと正、人生の秋に


西荻窪「魯山」お休み

西荻窪「魯山」

西荻窪「魯山」

 

新聞に「都 、6分野へ休業要請」という見出しがある。そして、その一分野として、生活必需品の小売関係以外の店舗、生活必需サービス以外のサービス業の店舗が、休業を要請する対象である、という。わかりにくい。「器の店」はどうなのか。
西荻駅を降りて北へ、善福寺川の手前「魯山」。買い物の帰り道に前を通った。
いつもなら、店の前の通りに面して 、小さな作業台を置き、通りかかる人に目もくれず、コンコンと音を立てて仕事をしている店主、大嶌さんの姿がない。いなくても、置いてあるはずの作業台もきれいに片付けられている。店に貼り紙

〈2020年  4月16日~5月6日  休業致します 。  魯山〉

大嶌さーん。どこで呑んでいるのですか。淋しいじゃないですか。早く正常に戻ってほしいですね。

 


うらわ美術館、開催中止のお知らせ

うらわ美術館

また、一通のハガキをいただいた。その文面。「芸術家たちの住むところ」開催中止のお知らせ〉だった。

…… 当館は、この度の新型コロナウィルス感染症の感染拡大を防止する観点から、誠に残念ながら、4月25日(土)より開催を予定しておりました、うらわ美術館開館20周年記念「芸術家たちの住むところ」展開催を全会期、中止させていただくこととなりました。…

その展覧会のパンフレットには、〈いつの頃からか「鎌倉文士に浦和絵描き」という言葉が聞かれるようになりました。……なぜ、彼らはこの土地を選び、居住の地としたのでしょうか。そしてここで何を感じ、どのような作品を生み出したのでしょうか。……〉芸術家たちの作品と背景を紐解く展覧会である、とある。それが、中止。

お知らせから、無念さがにじむように思われた。お疲れさまでした


臨時休館のお知らせ

町田市立国際版画美術館

 

一通のハガキ。読んでみる。

〈……  このたび町田市立国際版画美術館は、新型コロナウィルス感染防止のため、5月6日(水)まで臨時休館いたします。本展は5月8日(金)の開始を予定しておりますが、状況によって変更となる可能性がございますので、最新の情報は同館ホームペーおよび公式SNSをご確認ください。…… 〉

そうか。こちらもか。この版画美術館とは、チルチンびと広場開設の当初からお付き合いがあるだけに、哀しみが深く伝わってくる。開かれる予定だった「アーティストがみた町田」展には、住んだひととして、赤瀬川原平さんの名前も見える。準備のご苦労を思うとき、どうか平和な、5月開催の日を迎えられるようにと祈らずにいられない。

 


かわいそうな桜

井の頭公園

井の頭公園

井の頭公園

井の頭公園

「今年の桜はかわいそうだったわねえ、だれも、見にこないで」
「人に見てもらうために、咲くんだからね」
「咲いたと思ったら、雪が降ったりして、寒かったでしょうね」
と、老婦人二人、話していた。
井の頭公園、池にかかる橋の上で。

けふもまた花見るあはれ重ねつつ       山口青邨


背く画家・津田青楓

『生誕 百四〇年記念  津田青楓』展

『生誕 百四〇年記念  津田青楓』展

『生誕 百四〇年記念  津田青楓』展

『生誕 百四〇年記念  津田青楓』展(練馬区立美術館、4月12日まで)に行く。ウイルスに押されて閉館している美術館は多いが、ここは、背を向けてがんばっている。
この展覧会にちなんで出版された図録の表紙に〈夏目漱石に愛された画家〉の文字が読める。その漱石が、「津田君の画には技巧がないと共に、人の意を迎へたり、世に媚びたりする態度がどこにも見えません。一直線に自分の芸術的良心に命令された通り動いて行くだけです。……」と津田青楓について、1917年に書いた文章が引用されている。

背く画家 津田青楓。


星センセイの『暮しの手帖』

星センセイの『暮しの手帖』

 

…… 『暮しの手帖』、ボク 被写体はともかく 、 川内倫子さんの写真は、さすがです。25日に店頭に並ぶそうですから、ちょっとのぞいてみてください。 …… というメールが、星信郎センセイから届いた。
  さっそく、買いましたよ。「私の手帖  心の垣根をなくしたら」という記事。たとえば、「自由も大事だけど、ぼくはむしろ自然体が好きだね」「周りと比べるよりも、自分の『遊び心』を大切にしたほうがいいと思うんだ。お茶を淹れるのだって、素敵な人を見て、ああいいなと思うのだっていいんだ」などと話している。
 この「広場」の連載 『私のセツ物語』は、甘酸っぱい青春をセツ卒の人たちが描いて好評だが、そこに毎回添えられる星センセイのコメントも人気だ。よくまあ、生徒一人ひとりの在学中のプロフィールを、的確に記憶力たしかに書くものだ。そこに、静かな愛情を感じさせる。いまも、週末「代々木デッサン会」に出席、モデルと向かい合う、という。人や絵に寄せる、穏やかな愛情と視線。
   「 さっそく、読みましたよ 」とセンセイにメールしたら「笑っていいとも!  ですよ」と一昔前のギャグが、返ってきた。
   どうか、いつまでも、お元気で。