2021年11月28 の記事一覧

江戸の別荘地、根岸

『日本の美邸』8号特集「別荘

 

近日発売『日本の美邸』8号の特集は「別荘」。
「江戸の贅を探る」という連載記事の中で、江戸文学を研究する安原眞琴さんが、こんなふうに書いている。
〈……町人の別荘も大名と同様で、所在地は浅草、本所、深川といった江戸北部や隅田川以東の田園地帯が多く、庭園付きの数奇屋風の建物などを配していた。…… 郊外でも文人墨客に好まれた独特のエリアだったのは根津だ。江戸初期から東叡山寛永寺貫主を兼任していた輪王寺宮の別邸があり文化的土壌はあったが、さらに文化の源泉だった吉原遊郭に近く、吉原通いのルートにもなっていたので、風流韻事を好む文人の別荘や、身請けした遊女を囲った趣のある妾宅などが点在していた。……〉

今も漂う、その昔の雰囲気を味わう秋の散歩もわるくない。

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『日本の美邸』8号は、風土社刊。12月2日発売でず。お楽しみに。