2019年7月14 の記事一覧

『三国志』と正岡子規

三国志

三国志

 

『三国志』展(東京国立博物館、9月16日 まで)に行く。途中、入ったカフェで読んだ『うえの』というタウン誌(7月号)に、「三国志」にふれた文章がある。筆者は、市元  塁さん(東京国立博物館主任研究員)。

〈……  正岡子規が根岸にいて日刊紙『日本』に連載をしていた時のことです。病床にあって術後の痛みに苦しむ子規は、それを読書で紛らわすとして、三国志の英将・関羽を引き合いに出したのでした。(『墨汁一滴』より)。子供の頃に見た関羽が兵書を読む場面の絵と、関羽が碁を打ちながら腕の手術を受けた『三国志演義』の逸話からの連想のようです。なお、子規は「長き夜や孔明死する三国志」という句も詠んでいます。…… 〉

そして、子規にとっての『三国志』は、痛みや苦しみを乗り越える糧だった、というよりも、日々を豊かにする引き出しの一つであった、といえると書いている。