秋ぜみの耳をはなれず鳴きにけり 久保田万太郎ここは、集合住宅の4階だが、そこの白い壁に、蝉が止まって鳴き続けている。これでは、壁にしみ入る蝉の声で、蝉も、やっぱり、木の家がいい、と思っているのではないか。『村上ラジオ 3 』(村上春樹・新潮文庫)というほのぼのエッセイ集のなかに「岩にしみ入る」という章がある。そこに、アリの暮らしがいいか、蝉の暮らしがいいかと急に尋ねられても、選択に困りますよね。としながら〈とはいえ根が無口なので、一夏木の枝にしがみついて「みいみい」と賑やかに騒いでいるのも、性格的に向かないだろう。網を持った子供にぴゅっとおしっこをかけて逃げるのは楽しそうだけど。〉という文章がある。友人に「蝉の鳴き方も、いろいろですが、あれでも習っているんですよ」といわれたことがある。「それ、セミナーっていうんです」!?
チルチンびと広場をつくっているメンバーがかわりばんこにお届けします。
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