2014年5月8 の記事一覧

『食べること・生きること・死ぬこと 〜ツバル離島の映像とともに〜』 もんでん奈津代・ナツさんのお話会

 

先月、スコップ・アンド・ホーさんで開催された、もんでん奈津代(以下ナツ)さんのお話会に行ってきました。テーマは『食べること・生きること・死ぬこと 〜ツバル離島の映像とともに〜』と、とてもストレートなだけに、どんなお話会になるのやらかえって想像がつかない。店内に展示された写真を観ると、南国らしい植物や海や、人の表情がどれも生命力に満ちていて、ここでどういう暮らしをしているのか知りたいと思った。

ナツさんの言葉は直球で、手振り身振りも顔の表情もとても大きい。自分の生き方に対して本当に誠実で、こんなもんだろう。という妥協や誤魔化しが全然ない。いきなり話に惹きこまれた。学生時代からずっと自分が何になろうとしているのかを探し、もがき、鬱々とすることからも逃げず、働きだしてからも直観の赴くままに世界を歩き、探し続けて、あるときツバル離島の人々とその暮らしに出会って、理屈抜きでこれが生きているってことなんだ!と実感できたという。そして、現地でとある一家に家族として迎えられ、幼い娘さんとともに、ツバルと日本を行ったり来たりの生活を始める。

生物を獲り(漁り、または採り)食べて生きる、子が生まれれば周囲のみんなで面倒を見る、離島には病院もなく薬も簡単には手に入らないので、人もよく亡くなる。埋葬をして人間が土に返る姿も、子供のころから目の当たりにする。日本でも一昔前まではそうだったのかもしれないけれど、映像で見るとやはりショックを受けた。不思議なことに、同時に話を聞きながら、解放感なのかどんどん気持ちが楽になっていく。

ナツさんは、このお話会にあたり、「昔のままの暮らしがまだ残っていて、人間本来のあるべき姿があって、日本人が忘れてきたものがここにはあって、素晴らしいね、大事にしたいね」というような話にまとめるのは違うと感じ、何を伝えようとしているのかをずっと当日まで考えていたそう。住み慣れた人にとっては素晴らしいこの島にも、都会の暮らしにあこがれ、島を出て、稼いで家族を裕福にすることに喜びを感じる若者たちがいる。幼いころから転勤族で、都会の中で土にあまり触らず育った人間だからこそ、土に憧れ、自然の恵みに感動し、ツバルの離島で自由と喜びを感じたけれど、逆の立場だったらその若者たちと同じ行動をとったかもしれない。とナツさんは言う。

誰一人同じ人間はいないし、同じものを見ても考えることは違う、世の中は善悪で判断できないことだらけ。迷いなく自分の道だと思えることが、探し続ければ必ずどこかにあるということを伝えたい。周りの人や、大量に入ってくる情報が、どれだけ自分の考えと違っていても、自分が間違っているのだとかおかしいのだとか思わなくてもいい。

考え続けて、行動し続けて、自分のゆるぎない生き方を見つけた人の言葉は力強く温かで、勇気が湧いてくる。悩み多き若き人たちに、ナツさんのお話をぜひ聞いてほしいと思いました。ナツさん、スコップ・アンド・ホーさん、ありがとうございました。

 

今回のような「食べること・生きること・死ぬこと」のほかにも離島の暮らしを通した「子育てのこと」「クラフトのこと」などさまざまなテーマでお話をしていただけるとのこと。お話会をご希望の方は、ナツさんまで直接ご連絡ください。

もんでん奈津代さんご連絡先:

TEL&FAX 075-712-6867

住所:〒606-0943 京都市左京区松ヶ崎東町30-1

 

ナツさんのHP:http://monden.daa.jp/01tuvalu/2011/2011top.html

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