2012年10月16 の記事一覧

秋旅1/3[富山県・五箇山/岐阜県・白川郷]

猛暑のおかげで、今年の紅葉は例年より遅れているそうだ。まだまだ美しい緑が残る10月上旬、富山・岐阜・長野の秋の旅に出かけた。[富山県・五箇山/岐阜県・白川郷][岐阜県・飛騨高山美術館/高山の古い町並み][長野県・白骨温泉/諏訪大社]の3編に分けて記そうと思う。旅の途中で一気に秋がやってきて、季節の入れ替わりを肌で感じる旅になった。

[富山県・五箇山/岐阜県・白川郷]

1995年、ユネスコの世界遺産に文化遺産として登録された、白川郷・五箇山合掌造り集落。五箇山は富山県南砺市にあり、山を背に並ぶ合掌造りの集落は、ほんとうにひっそりと、寄り添っているようだった。養蚕業が有名な五箇山だが、江戸時代、加賀藩の火薬として使用される、塩硝や和紙などが主要産業だったといわれている。また、加賀藩の流刑地となっていたということで、復元された流刑小屋が、全国でも珍しい民族文化財として保存されている。朝、宿から見える山々には、幾層もの真っ白い雲がかかり、雲上にいるかのようか気分になった。日中は、たくさんのとんぼが、川べりをすいすいと泳ぐように飛び回っていた。ほとんど観光地化されていない、この素朴で、のどかな風景が、後世に繋いでいかれるようにと思う。

岐阜県にある白川郷では、ちょうど屋根の葺き替えをしているところを見ることができた。果てしない作業の連続だが、見ごたえがあった。屋根は60度近い勾配で豪雪に耐えられるように形成されている。間近に見た、茅葺き屋根の厚さには圧倒された。日本を代表する村のひとつとして継承していくことは、現在もこの村で生活されている方々の、ご苦労なくして決して成り立たないんだなと思った。

ところで、五箇山も、白川郷も、旅行客の大半が、日本人以外の方々だったのが、なんとも印象的だった。