ギャラリー

誇り高き絵師たち

『もうひとつの歌川派 ⁈   国芳 芳年 年英 英朋 朋世』展

『もうひとつの歌川派 ⁈   国芳 芳年 年英 英朋 朋世』展

 

『もうひとつの歌川派 ⁈   国芳 芳年 年英 英朋 朋世』展(弥生美術館、3月29日まで)に行く。パンフレットに 「浮世絵から挿絵へ…… 歌川派を継承した誇り高き絵師たち」と、ある。
さらに読んで行くと〈浮世絵から挿絵へ…… 歌川派を継承しているという誇りを胸に掲げ、挿絵の世界で大きく羽ばたきながらも、時の流れに埋もれてしまった絵師たち。知られざる「もうひとつの歌川派」が、今、鮮やかによみがえります。〉とある。
そして、もう一つの展示は『はいからモダン  袴スタイル展』。卒業式も、ほとんどが流れてしまったなあ、と思う。

 


ハマスホイと背を向ける女性

『ハマスホイとデンマーク絵画』展

『ハマスホイとデンマーク絵画』展

『ハマスホイとデンマーク絵画』展(東京都美術館、3月26日まで)が、ひらかれている。話題は、「背を向けた若い女性のいる室内」なのだろう。
展覧会にちなんで出版された図録の73ページの解説にも、こうある。

〈作品の核となっているのは、幾何学的な画面構成である。左上の額縁、上品なブルーの壁を縁取る細いライン、その下の白い装飾パネル、そして蓋が閉じられたピアノ。複数のモティーフが描き出すいくつもの直線が、四角いカンヴァスの中で小気味よく、かつ整然と響き合っている。…… ピアノの上に置かれたパンチボウルと、後ろ向きの女性は、まるでこの幾何学的な世界に柔らかな風を吹き込むかのように、なめらかな曲線で形取られている。……〉

ずっと昔、『ウナ・セラ・ディ東京』という岩谷時子さん作詞の歌が流行ったことがある。その歌の「街は いつでも後ろ姿の 幸せばかり」というあたりが、帰り途、いつまでも、頭の中に聞こえてきた。

 


バルセロナ展とはちみつ紅茶

バルセロナ展

バルセロナ展

 

『バルセロナ展』(東京ステーションギャラリー、4月5日まで)に行く。
「奇跡の芸術都市」のサブタイトル。

〈……  アントニ・ガウディをはじめ、リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー、ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクなど現在のバルセロナの景観を形作った建築家たち、ここで若き日々を過ごしたピカソ、同じくここを足掛かりに世界的に活躍したミロやダリ、そして、カフェ「四匹の猫」を文化発信の場としたラモン・カザスやサンティアゴ・ルシニョルなど、多くの芸術家がこの時期、この街で多彩な活動を繰り広げたのです。……〉(同展のパンフレットから)

帰りにショップで、はちみつ紅茶を買って帰る。スペイン産、とある。

 


ソール・ライターの永遠

『永遠のソール・ライター』展

『永遠のソール・ライター』展

 

『永遠のソール・ライター』展(Bunkamura  ザ・ミュージアム、3月8日まで)に行く。“ ニューヨークが生んだ伝説の写真家 ” のサブタイトル。
そして、
〈…… ほとんど知られていなかった写真家の展覧会がこれほどの反響を巻き起こした背景には、画家として出発し、天性の色彩感覚によって「カラー写真のパイオニア」と呼ばれた個性と才能がありました。……〉と、パンフレットから。


上野に人けなし

『出雲と大和』展

『出雲と大和』展

 

日本のはじまり、  ここにあり…… という『出雲と大和』展(東京国立博物館、 3月8日まで )に、上野駅公園口から向かったのであるが、おや、いつもとちがう。人けがない。
と思っていると、上野に住む知り合いが来た。「いつもと、違うね。やっぱり、アレのせい?」「そう、例年もいまごろは、修学旅行もいないし、空いてはいるんだが、それにしても、やっぱり、アレかな。観光客 激減という……。おかげで、私はパンダも見にいきましたが」。
あと、ひと月もすれば、桜の季節。あの、いつもの賑わいが帰ってくるだろうか。

 


フィクションの愉しみ

浜口陽三記念室「浮かびくるかたち」

武蔵野市立吉祥寺美術館

 

浜口陽三記念室「浮かびくるかたち」(武蔵野市立吉祥寺美術館、2月23日まで)に行く。場内に、こういう浜口陽三の言葉がある

「ぼくはフィクションが好きなんです。たとえば《パリの屋根》は、実際の風景とは全然違うでしょう。ぼくの心象風景のパリの屋根を表現したら、ああなったわけ。西瓜やさくらんぼにしても同じですよ。だから数十年後のある朝、ふと浮かんできた形を絵にすることもあるんです」

パリの屋根も、西瓜も、さくらんぼも眺めて、帰ってきた。

 


小杉小二郎展に時の流れ

小杉小二郎展

小杉小二郎展

 

『蘇る日々  静かに時は流れ  小杉小二郎展』(美術愛住館、4月12日まで〕に行く。

〈小杉小二郎は、長きにわたるフランス滞在を経て独自の画風を築いた、日本の画壇において、独創的かつ個性豊かな画家の一人です。……〉とパンフレットの紹介。祖父、画家・小杉放庵に墨絵の手ほどきを受け、幼い頃から絵に親しむ。……ということである。

晴れた冬の休日。静かに時の流れる午後は、美術館日和。

 


みやことちひろの物語

石内都展  みやことちひろ  ふたりの女の物語

石内都展  みやことちひろ  ふたりの女の物語

 

『石内都展  みやことちひろ  ふたりの女の物語』(ちひろ美術館  東京、1月31日まで)に行く。
写真家・石内都の母(藤倉都)といわさきちひろは、2歳ちがいであるという(いわさきさんが、2歳下)。同じ時代の空気を吸って生きたふたりの女の物語。ということで、たくさんの遺品に語らせる。服、靴、アクセサリー、化粧品……。
〈  ……  ひとりの女の生き方が、もうひとりの女を呼び寄せ、まったく縁のない女同士が、写真を通して出会うことになった。 …… 〉と会場の案内の文章にある。

 


吉祥寺・北欧通りの師走

北欧の旅のはじまり・サクラチエ個展

 

買物の好きな女に師走来る

というのは、星野立子さんの句である。師走の賑わい。吉祥寺北口、東急百貨店裏通りから、藤村女子高校  にかけてのあたりを、通称「北欧通り」と呼ぶという。それらしい雑貨店や北欧料理店  ALLT  GOTT などがならぶ、それで、この名前がついたのだろう。通り沿いにある、mono  gallery  では、『北欧の旅のはじまり・サクラチエ個展』(12月18日~23日 )も開かれている。この夏、デンマーク、スウェーデン、フィンランドを巡って描いた絵。この季節の寒さに似つかわしいような。
ただでさえ 、買物好きで賑やかな吉祥寺の街に、師走来る。

 


坂田一男の風景

坂田一男   捲土重来

坂田一男   捲土重来

『坂田一男  捲土重来』(東京ステーションギャラリー、1月26日まで)に行く。
〈 キュビスム以降の抽象絵画の展開を核心で理解し、その可能性を究極まで推しすすめた画家  坂田一男(1899~1956)。世界的にも稀有な高い次元に到達していた坂田一男の仕事の全貌を展示し、その絵画に織り込まれた世界の可能性をひもときます。…… 〉と、パンフレットの紹介文。
〈絵画の潜勢力を解き放つ    絵画そして世界の巻き返し=再生》
〈格納された世界のすべて、風景のすべて〉
の文字も見える。
ステーションギャラリーの前、丸の内北口の風景は、季節によって表情を変える。年末年始の賑わいには、まだ 少し間がある。