2022年5月17 の記事一覧

『宮本三郎 西洋の誘惑』へ

宮本三郎  西洋の誘惑

 

石川県小松市に生まれた宮本三郎(1905~1974)が、画家を志して上京したのは、1920年代のこと。ヨーロッパに留学し、帰国した先達の画家たちによって、日本の洋画に多数の展開がもたらされた頃でした。宮本もまた、1938年に初めてヨーロッパの地を訪れます。パリに拠点を置き、ルーブル美術館に通って模写をしたり、イタリア各都市の史跡や美術館を巡るなどして、深遠なる西洋の美術の歴史にじかにふれることになりました。………宮本の作品には、さまざまな画家の絵筆をなぞるようにして、多様なスタイルがかわるがわるに立ち現れます。それは西洋の発祥である油彩画を、日本人の画家として自らのものとし追求していくための、果てしない旅でもありました。宮本三郎がその絵画のなかに辿った西洋美術への共感と憧憬、そしてその先に続く制作の展開を追います。

…… と、展覧会のパンフレットに描かれている。『宮本三郎 西洋の誘惑』展は、宮本三郎記念美術館(世田谷美術館分館)で、9月11日まで、開かれている。