2019年9月5 の記事一覧

縁側を考える

チルチンびと101号

 

秋来たる。『チルチンびと』101  秋号の特集は「庭のいろいろ」。庭に咲く花のように、多彩な記事から、1本をご紹介します。

「縁側を考える ー  夏目漱石の住空間」(エマニュエル・マレス)の考察は、こんなふうに展開しています。その一部を。

〈…… 漱石は建築空間に細心の注意を払っていたが、庭に関する記述は不思議なほど少ない。「日本に帰りての第一の楽みは蕎麦を食ひ日本米を食ひ日本服をきて日のあたる縁側に寝ころんで庭でも見る」と妻鏡子宛の手紙に書いたほどであるから庭に無頓着ではなかったはず。……〉
〈…… 漱石山房の庭というのは文字通り「硝子戸の外」であり、作家の執筆の空間という現実に対して、自由奔放に想像を膨らます、空想や虚構の空間であったのかもしれない。……〉

いかがですか。


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『チルチンびと』101  秋号は、9月11日発売です。