2014年10月18 の記事一覧

しょうぶ学園の作品たち

「楽園としての芸術」展

上野駅公園口の前の道は、楽しそうに歩く人が多い。そんなふうに歩いて、東京都美術館へ行った。「楽園としての芸術」展。アトリエ・エレマン・プレザン(三重・東京)と、しょうぶ学園(鹿児島」で制作された作品を見る。作者はダウン症などの障がいがある、という。この、しょうぶ学園については、『チルチンびと』増刊『コミュニティ建築』(1913年11月)に、詳しく書かれている。その、一節。

しょうぶ学園統括施設長の福森伸さんは、入居者が縫っていた布地の縫い目が不揃いに縮んでボールのようになっているのを見て「美しい」と感じた。木工を担当している入居者が、ひたむきにただ彫りつづけた木を見て「素敵だ」と思った。そして、「彼らがやろうとしていることを、ひたすらそのまま受け入れることが、しょうぶ学園の求めるべき姿なのではないかと思ったんです」と語っている。(知的障がい者支援施設が、地域に開いた)

絵画、刺繍された服、木の器 …… その色、形、質感、柄、不揃いな縫い目、彫りつづけた木 ……  たくさんの作品を見ながら、福森さんの言葉が、ダブってくる。10月8日。展覧会の最終日に間に合って、よかった。