2012年12月1 の記事一覧

「古道具、その行き先 -坂田和實の40年-」へ

松涛美術館は、閑静な住宅街にある、区立の美術館。先週、「古道具、その行き先 -坂田和實の40年-」に行ってきた。

展示品には、キャプションも額装もない。展示品との触れそうな距離感に、ドキドキする。

大切に使われてきた、ひとつひとつの古道具が、今も、館内で静かに、息をしているよう。展示品に近づくと、展示品に話かけられそうな気がした。

以下、とても気になった展示品3点。

 

「リネン文様木製ドアー」16世紀 フランス

古くて、どっしりとした木材に、やわらかそうなリネン模様が彫刻されている。このドアには、どんな人が訪れ、どんな人を送りだしたのだろう。

「質屋包み紙」 江戸末期~明治

この包み紙たちは、近づく前から、ただならぬ雰囲気を醸し出していて、少し怖いくらいだった。束ねられた紙を、ほどいてはいけないような気がした。

「木製イコン」17世紀末 ロシア

約20㎝四方ほどの木製のイコンの存在感は、ためいきが出るほどだった。彩色は劣化しているが、たくさんの人が祈りを捧げてきたんだと感じ、不思議だった。