イベント

ワセダ 馬場下 年の暮

ワセダ  馬場下

ワセダ  馬場下

三朝庵

 

ワセダ  馬場下に、穴八幡宮や放生寺があり、年末そこにお参りする人も多い。そして、そのあとは、斜め向かいのそば屋「三朝庵」で、柚子の入ったそばを食べ、これで来る年も金銀融通だと、安心して帰途につくのである。

三朝庵が、店仕舞いしたことは、夏頃ブログに書いた。しかし、年に一度だけ、年末年始に訪れる人もいる。そして、いつものように店の前に立ち、貼り紙を見て「あれ」と、声をあげる。年の暮、この四つ角にも、そんな人生劇場があった。

 


器の愉しみ

粋な古伊万里  江戸好みのうつわデザイン

 

『粋な古伊万里  江戸好みのうつわデザイン』(八王子市夢美術館、1月20日まで)に行く。大皿あり、小鉢あり。眺めていて、向田邦子さんの器についてのエッセイを思い出した。

〈眼があったとき、「あ、いいな」と思い、この皿にのせてうつりのいい料理が眼に浮かぶものだと、少し無理をしても財布をはたいた。料理といったところで、茄子のしぎ焼きとか、風呂ふき大根とか、貝割れ菜のお浸しとかのお惣菜だが。…… 〉(とんぼの本『向田邦子  暮しの愉しみ』向田邦子   向田和子  ・新潮社)。

 


メリー・クリスマス !

クリスマス・ショウ

クリスマス・ショウ

クリスマス・ショウ

クリスマス・ショウ

 

「わあー スゴイ!」「ね、ちょっとスゴイでしょ」と、自慢そうに言うひと。無言で見上げるひと。見とれて動かないコドモ。「電気代、タイヘンかしらね」と、囁くひと。

ここは、杉並区荻窪の、環八から少し入った住宅街。その一軒のお宅で、くりひろげられる、光のクリスマス・ショウ。毎年の恒例だ。見物人の驚きも、みんな、去年と同じだ。去年も、このブログで、ご紹介した。あれから1年たつのか、もう。

 


『ロマンティック ロシア』にお会いして

『ロマンティック  ロシア』にお会いして

『ロマンティック  ロシア』にお会いして

 

「また  お会いできますね。」と、このひとが言っている。「忘れえぬ女(ひと)」は、イワン・ニコラエヴィチ・クラムスコイの作品。彼女は、10年ぶりの日本だという。

展覧会のカタログに、いう。
……《忘れえぬ人》は、19世紀ロシア美術における最も有名で人気のある作品の一つである。本作品には決して最後まで解き明かされることのない秘密が驚くべき方法で託されている。原題《見知らぬ女》自体も謎めき、謎めいているため、1883年に展示されたその時から、この絵は様々な伝説に包まれてきた。……

『ロマンティック ロシア』(Bunkamura  ザ・ミュージアム、来年1月27日まで)へ行ったのである。おみやげに、紅茶とマトリョーシカ  プリャーニキ(計 2916円)。


吉村芳生の超絶技巧

『吉村芳生   超絶技巧を超えて』展

『吉村芳生   超絶技巧を超えて』展

吉村芳生 超絶技巧を超えて』展(東京ステーションギャラリー、来年1月20日まで)へ行く。

超絶技巧 ? という文字が、展覧会のパンフレットに大きく読める。そのあとは、こんなふうに続いている。
〈そんな単純な言葉で説明することはできません。延々と17メートルにわたって描かれた金網、1年間毎日描き続けた365枚の自画像、1文字1文字をすべて書き写した新聞紙  ー 。吉村芳生が生み出した作品は、どれも超絶リアルでありながら、見る者の度肝を抜く凄みを感じさせます。……〉

下の写真は、「ジーンズの制作過程」という作品の一部です。百聞は一見に如かず、でしょうか。

 


人間国宝・桂 盛仁

人間国宝、桂  盛仁  金工の世界  ー  江戸彫金の技

人間国宝、桂  盛仁  金工の世界  ー  江戸彫金の技

 

『人間国宝、桂  盛仁 金工の世界 ー 江戸彫金の技』(練馬区立美術館、来年2月11日まで)へ行く。

〈昨今、明治期の卓越した工芸作品を  “ 超絶技巧  ” と称し、ロストテクノロジーとしての評価がなされてきていますが、そうした工芸の技術が脈々と受け継がれてきていることは、柳川派、そして桂盛仁の金工を見ると明らかです。…… 〉と会場のパンフレットにある。

展覧会と同名の、それにちなんで出版された本は、“ 技の見本市 ”  が楽しめる。なかに「彫金の流れ   桂 盛仁 」という文章がある。

〈…… 私は小学校低学年から父の仕事に触れ、10歳頃より父の手伝いをし始めた。都立工芸高校の金属工芸科に入学し、彫金・鍛金・鋳金の基礎を学んだものの、一時金工から離れ、再び彫金に戻るのが、昭和45年(1970)、25歳の時である。翌年、日本伝統工芸展に出品、初入選を果たしている。……〉

 


『斉白石』展のキャッチコピー

『斉白石』展

『斉白石』展

『斉白石』展

 

『斉白石』展(東京国立博物館、12月25日まで)へ行く。

この展覧会のパンフレットに書かれた、謳い文句の多いこと。

中国近代絵画の巨匠
中国で最も愛されている画家が北京からやってきた!
超リアル ! 斉白石の観察眼
ぎょろ目の鶏とフワフワのひよこは  斉白石得意のモチーフでした
独創的な構図を持つ山水の傑作
書は画のごとく、画は書のごとく
人間描写にユーモアが光ります

日中平和友好条約締結40周年記念   特別記念   ということです。

 


「現代の書」とは⁈

見る、知る、感じる    現代の書 展

 

『見る、知る、感じる  現代の書』展(東京都美術館、来年1月6日まで)へ行く。
リュックサックを背負った、修学旅行生がどんどん中に入って行く。お、行列、と思ったのは、お隣の『ムンク』の叫びのほうで、『書』は、静かだった。
展覧会のパンフレットに、
〈皆さんは「書」を鑑賞したことはありますか?  「書」というと、どのような印象を持たれるでしょうか。多くの方にとって「書」は難しいと思われがちですが、それはなぜでしょうか。そして「現代の書」とはどのような表現をさすのでしょうか。
とある。それはもう、実物をごらんいただくしかありませんね。

 


建築写真の光と影

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東京都写真美術館

 

『建築 ✖ 写真   ここのみに在る光 』展(東京都写真美術館、19年1月27日まで)に行く。そのパンフレットに言う。

〈 現存する最も古い写真は1827年頃に
ジョセフ・ニセフォール、ニエプスによって撮影された、
窓から見える「たてもの」の一角でした。
写真と建築の関係は写真の黎明期の時代から密接に
かかわっています。初期の写真技術では人や動物といった
動くものは、撮影することが難しかったために、
動かない建築は格好の被写体となったのです。…… 〉

日本の写真家では、渡辺義雄、石元泰博、二川幸夫、奈良原一高…… といった写真家の作品が並んでいる。人は去る。写真は残る。建築は……。


ライスカレーの愛嬌

MAJI  CURRY  神田神保町店

MAJI  CURRY  神田神保町店

MAJI  CURRY  神田神保町店

『神田カレーグランプリ 2018』が終わって、優勝は「MAJI  CURRY  神田神保町店」。おめでとうございます。エチオピアやオードリーが、軒を連ねるところに、この春、登場した。ホームページを見ると「毎日、バターと小麦粉から作り始め、手間暇を惜しまない!  小麦粉は高温でじっくり混ぜ続け、粘りを押さえ、香り高く仕上げる!」とある。
ちょうど、『カレーライス!!大盛り』(杉田淳子編・ちくま文庫)を読んでいた。そのなかに「ライスカレー」(吉行淳之介)というエッセイがあり、吉行さん、こう書く。

〈このライスカレーの特徴のもう一つのものは、各家庭が、それぞれ「おいしいライスカレーの作り方」についての意見を持っていることである。たとえば、リンゴを一個オロシ金でおろして混ぜるとよい、などというたぐいである。そういうことを、それぞれ「わが家の秘伝」としてあたためていて嬉しそうなところが、ライスカレーの愛嬌のあるところである。…… 〉

お店の秘伝も、愛嬌です。