ハンバーガー

ハンバーガー

朝から、ずっとゲラを読んでいる。『チルチンびと』夏号は、校了間近。

昼食のときは、だから、ゲラとは調子のちがった本を持って、でる。今日は、近くに置いてあった『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』(村上春樹)です。ハンバーガー屋さんIに入り、注文して、本を読みだして、テヘッと思いましたね。なぜって、「ハンバーガー」というタイトルが、ぱっと出てきたから。こういう話でした。

—- ホノルルのスーパーマーケットの駐車場で、一人のホームレスとおぼしき中年男が言う。「すみませんが、とてもお腹が減って、ハンバーガーが食べたいので一ドルくれませんか?」目的と金額をそこまではっきり限定して言う、そのオリジナルな訴え方に感心して、求めに応じて一ドルをさしだす。 —-

読みながら、ハンバーガーを食べる。パンのふっくらしたカンジ。野菜と肉のここちよい歯ごたえ。口の中にひろがる味。おいしい。しかし、困ったことに、いかにも舞台が揃いすぎた。私は、すっかり、中年のホームレス男になった気分、なんですよ。