フェアプレイ!
なでしこジャパン、おめでとう!!!からはじまった朝。
試合に勝ったことはもちろんものすごいことで万歳!なのだけれど、あきらめずに地道な努力を続ければ、思い描いた場所に到達できると証明してくれたことが、スポーツというジャンルも日本という枠も越えて世界の老若男女に力を与えた記憶に残る試合。トロフィーよりも輝いている、宝物みたいな選手たちでした。長い年月をかけて好きな事を追いかけてきた信念は、淡々として強くて、どんな大きな障壁にも絶対に潰されない。その感じが最高にかっこよかった。
土曜日、「森林を守る」の著者、滝口先生にお声をかけていただいて、ウッドマイルズフォーラム2011にお邪魔してきた。
LIFE311という活動を通して地元産の木材を活用しながら岩手県住田市に木造仮設住宅を建設してきたモア・トゥリーズの水谷さん、震災の直後からペレットストーブ支援を実施し、今後は地元の大工さんらと宮城県登米市に共生住宅を建設中の栗駒木材の大場さん、震災後の廃材を再利用した「復興ボード」を復興建築物に利用するべく開発を進めている岩手県立大学の内田先生、学生による生活復興支援プロジェクトとして地元の人たちの協力を得ながら、岩手県大船渡市と宮城県石巻市に木造仮設公民館を建設した東海大学の親松さんと下田さん。
震災の直後から木造仮設住宅を計画し、現場と密接に寄り添ってきた4つのリアルな現場報告は、実際にその建物に住む地元の人々の声や、制度との戦いなど整理しきれていない未解決部分も含めて、行動がそのまま率直な言葉となった、非常にわかりやすい内容だった。
融通の利かない制度が復興のスピードを妨げることは本末転倒。住民の声を素早く聞いて動こうとする個人やNPO、民間企業の地道な支援のほうが、小さな動きであったとしてもずっと速く支えになっている。でもやはりスピードに限界があって、本来ならそこを助けるのが制度なはず。むしろ状況よりも先を読んで、柔軟に変化してくれるものと、利用する側は期待している。なのに現実は・・・な話ばかりだ。報告のあった4組の活動やその他全国で行われている無数の有形無形の支援を、ひとつでも無駄にしたらもったいなすぎるのだ。
最後に聞いたオーストリアのバイオマス事情の話も興味深かった。バイオマスが、自然エネルギーの60%近くを占めるオーストリアよりも、日本はもっと森林資源の潜在力が高いそう。午前中に別の勉強会では偶然メタンハイドレートの実現化へ向けてのビデオを見せてもらった。同じ日に続けてそんな話を聞いて、日本が案外エネルギー資源の宝庫であることを知った。それも、第二次世界大戦が終わっても国民投票で原発廃止を決め、自然エネルギーの問題点の改良に努めたオーストリアの信念と、バブル真っ盛りの中批判を受けてもめげずにメタンハイドレートの研究を続けた東大増田教授の信念の賜物。
コレ!という将来への理想を思い描いたら、めんどくさがらず、あきらめず、地道にコツコツと進む。そんな時代の先駆者たちが気づいたら増えている。年齢もさまざま、経験もあまり関係なく、ある日ある事に気づき、その日から行動してただひたすらに信じて続けるというシンプルさが、かっこいい。