桃豚の会

foodscape! さんで開催された桃豚の会に行ってきました。ご店主の料理開拓人・堀田裕介さんは料理人として日本各地の素晴らしい生産者さんたちとの出会う中で、料理を作り、食べてもらうだけでなく、生産者さんの想いを伝えたり、もっと多方面から食に関するアプローチをしていきたいと、今年6月大阪にこちらのお店をオープン。1階はベーカリー(すごくおいしい)とコーヒーショップ、2階はイベントスペース。大通りに面した建物の窓ガラスと白壁には素敵なドローイング、木のインテリアもモダンで落ち着いたデザインで、食べ物屋さんというよりギャラリーのような雰囲気。心地よい空間です。

今回のイベント、テーマは桃豚。収穫時に落ちてしまったり、形や色が悪くなってしまって出荷できない桃を、豚さんに食べてもらうという福岡県うきは市の豚農家・杉さんと桃農家 ・赤司さんがタッグを組んだ画期的な取り組みが紹介されました。foodscape!さんとうきは市の農家さんを繋いだ、井口和泉さんという女性もいらしていて、ふんわりした優しそうなのに、なんと自ら狩猟しジビエ料理をされる方だそう。ライターとしても活躍され『料理家ハンターガール』という本を出されてます。ウエルカムドリンクの、濃厚な黄桃のカクテルをいただきながら、お話を聞きました。

赤司さんは20種類ほどの桃を育てていて、なかでも加工品によく使われる黄桃は若いときは酸っぱくて硬く、かなり熟さないと生でいただくには適さないのだとか。でもいい感じに熟すのを待っていると当然傷んだり落ちたりする物も増える。大切に手をかけて育てた桃が、そうやって無駄になってしまうのはしのびない、と思っていたところ自然豊かな環境で豚を育てるところからこだわり、ハムやソーセージを作っているリバーワイルドハムファクトリー の杉さんと出会い、これらの桃を豚に食べてもらおうと思いついたそうです。杉さんは柿などほかの果物でも同じ試みをされていて、そうすると香りよく甘みのある豚肉になるそう。お話を伺いながら、桃の花が咲くころ、うきは市を訪ねてみたくなりました。

お話を聞き終わると、桃と豚を使った料理が次々に登場!桃とジャガイモのスープ、桃のコンフィチュールを乗せたパテドカンパーニュ、夏野菜とチャーシューのグリル、カツサンド、煮込み、ローストポーク・・・

 


 

どれもすべて美味しく美しく、瑞々しくて力強い味。生産者さんと料理人さんの丹精が感じられる素晴らしいメニューの数々をいただけて、お腹も心もいっぱいになりました。食べ物が口に入るまでの過程を知ることは食べることへの感謝や幸福感を増し、食への意識が一歩深くなる気がします。今後またどんな生産者さんたちに出会えるのか、楽しみな場所が増えました。