「変奇館、その後 ー 雑木林の庭」公開中!

変奇館、その後

“広場” コラム所載の「変奇館、その後 」(山口正介)は、第2回「雑木林の庭」です。前衛建築の家が誕生した。では、庭はどうなる。そのあたりのイキサツが、今回のテーマです。ところで、その庭に植える木を仲間の方たちと山へ採りに行く話を、『男性自身・山へ行く』で、山口瞳さんも書いています。

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四月のはじめに、馬鹿に暑い日が続いたのをご承知だろう。空は青く晴れて、遠い眼下の多摩川も青かった。満開の桜と巴旦杏の花が見おろせた。
ジュニアが、ぶったおれて寝た。私も隣に寝た。林のなかから、森本とアオヤギの声がする。カニカンが椿の根を切る力強い音がする。ドストエフスキーが、こっそりと蘭を掘っている姿が見える。虻の羽音。
私は、この瞬間に、死んでもいいと思った。

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この最後の1行は、シビれる。

「変奇館、その後 ー 山口瞳の文化遺産」は、コチラからごらんいただけます。