続・ハチメイワク

アザミ

 花の盛り。ミツバチの集めてくる蜜は増える。産卵する。コドモも増える。巣箱のなかは、いっぱいになる。
「それやこれやで、巣わかれの準備を始めるんですね。そうして、ついには街に出かけてきたりするわけです。ですから、いっぱい貯まった蜜を取ってやるとか、管理をキチンとしてやれば、いいんですよ。ハチも管理する人の性格を反映しましてね、ふだんから、やさしくしてやると、絶対、刺しませんね。車の往来の激しいところのハチは、落ち着きがありませんしね」
 先代から、もう何十年も、養蜂業をつづけているという。 小さいころから、父親の手伝いで蜜を取っていたという。
 そうだ。ハチと話ができるというこの人に、騒動のとき、ハチはなんと言っていたか、きいてみよう。すると、「ハチは、自分たちの種族の繁栄のために、ああいう行動に出たんで、人間が大騒ぎするのはハチメイワクです、 と言っておりましたよ」と答えてくれた。