美しきぼろ布たち

美しいぼろ布展  ー  都築譬一が見たBORO

『美しいぼろ布展 -都築譬一が見たBORO』(淺草  アミューズ ミュージアム、3月31日まで)に行く。

これを知ったのは、「忘却に逆らう」という見出しのついた、この展覧会の美術評を読んでのことだ。

〈盲点だった。まさか淺草にこんな美術館があったとは。浅草寺の裏手あたり、中国や韓国、台湾からの観光客で賑わう路地の一角に、そのビルはお土産屋のような佇まいで建っている。しかしその上のフロアには、時間と距離を飛び越え、過去の東北からまるごとタイムスリップしてきたかのような奇跡的な世界が、暗い照明のもと、ひっそりと広がっているのだ。……〉(『東京新聞』3月15日夕刊 ・美術評 ・椹木野衣)

行ってみたくなって行った。あとはもう、写真をごらんいただきたく。


ラリック・エレガンスの光と影

ラリック・エレガンス    宝飾とガラスのモダニティ ユニマットコレクション

ラリック・エレガンス    宝飾とガラスのモダニティ ユニマットコレクション

 

『ラリック・エレガンス    宝飾とガラスのモダニティ    ユニマットコレクション』(練馬区立美術館、4月21日まで)に行く。

〈ラリックは当初、アール・ヌーヴォーの服飾デザイナーとして活躍しました。彼の生み出したジュエリーは大変な人気を集め、とりわけ1900年のバリ万国博覧会で大きく注目されました。20世紀に入り、香水瓶のデザインと製造を足掛かりに、ガラス工芸家としての道を歩みはじめます。……〉と、パンフレットにある。

ペンダント、ブローチ、花瓶、印章、グラス、化粧瓶、ネックレス、ランプ、インク壺、灰皿、燭台、皿…… いやいや、まだまだ、たくさんのコレクションの光と影を見た。

 


KAIE さんの訃報

KAIE さんが亡くなられたことを、うかがった。川村 都さんのスタイリストの学校から、セツにすすんだ方だった。この「広場」の『私のセツ物語』でも、そのことを、書いている。もう一度、彼女の『私のセツ物語』を掲載し、ご冥福をお祈りいたします。
………

KAIE

「あのね。私はセツで解放されたの!」

KAIE(アーティスト)
1997年~2000年在籍
 

 入学した当時は、セツの大先輩である川村都さんが運営するスタイリスト学校を卒業したばかり。痩せっぽっちのケイト・モスに憧れていて、あんなガリガリの人が描けるオシャレな場所はないかと探していたら、この学校にたどり着いたんです。
 そしたら、雑誌Oliveから抜け出てきたみたいな、「前髪パッツン&ボーダー似合いすぎ」の生徒さんが多いのにビックリして、私の着こなしがまだまだ未熟だと落ち込んだり、勝手にライバル視してみたり(笑)。でも本音は、「この人達とお友達になれたらなぁ」だったんですけどねぇ♪

 人物水彩の授業では、どう描けばいいのかわからなくて、周りの人達の絵を覗き見してたら、目や手だけを画用紙いっぱいに描いてたり、下絵もなく色だけベタベタ塗ってたり、綺麗な色を塗り重ねてるだけの人とか、もう、なんでもOKだったんです!!
 むふっ!ニヤリ♬
 その時に私は気付きました。
 「ここでは、みんなと同じじゃなくていいんだねぇ!」
 「なんでも受け入れてくれる場所なんだねぇ!」ってコトを!
 とっても心地良くて、自分の存在価値を認められたような気持ちでした♫

 初めてセツ先生に「うん、これいいねーA☆」と評価された時の嬉しさは今も覚えています。
 「見せて見せて!」と生徒さんも私の絵の前に集まってきて、あっという間に友達も沢山できました。それからは、セツに通うことが、セツ友と会う為か、絵を描く為か分からなくなってきたけど、楽しかったからどっちでも良かった。

 そうそう、セツ先生と一緒にデッサンをしている時、「いいこと教えてあげる! セツに来て有名になっている人はね、毎日真面目に来てるやつか、たまーにしか来ないやつのどっちかなの!」
 そう言ってたコトが記憶に残っているんですが、その言葉の意味はどういうことなんだろうか?今でもずっと考えているんですが。。

 私はセツで、「自由でいいんだよって」教えてもらったんです!
 だから20年が過ぎても、やりたい事を精一杯やれてます!

 セツの庭で、星先生の淹れてくれたコーヒーを片手に、ブリキの灰皿を囲んで、どうでもいい話をしながらタバコを吸っていた時間が愛おしいです!

 


 
星信郎 より:

吉澤さん、なるほどセツ先生をこう描きましたか! すっきりと味わい深い、年齢性別不詳 、そして上品さを保って。
たしかに先生は訳のわかんないコトを言うことあったよね、だからそのコトをずうっと考えてしまって、いつか解ったり解らなかったり???
でもね、先生が生徒に対する希望は唯一つだけ、それは美のわかる人になって欲しいということだったらしいよ。いくら有名になっても美のわかんない人はなにか下品だ、と言ってましね。
だからね、吉澤さん大丈夫よ?

 

KAIE より:

星先生、素敵なコメントありがとうございます。20年前の記憶をたどって、セツの思い出を書くことは、あまりにも遠い記憶になってしまい、忘れられない断片だけを何とか見つけて、繋ぎ合せていく作業でした。
「美のわかる人」がセツ先生の希望だったんですね。少し謎が解けた気がします。
星先生の淹れてくれるコーヒーが一番美味しいと思うのは今も変わりませんよ!!

 


アアルトの言葉

『アルヴァ・アアルト   ー  もうひとつの自然』展

『アルヴァ・アアルト   ー  もうひとつの自然』展

 

『アルヴァ・アアルト - もうひとつの自然』展(東京ステーションギャラリー、4月14日まで)に行く。

フィンランドの建築家。個人邸宅から公共建築までを設計。建築にあわせて、家具、壁面タイル、ドアノブなどのデザインもした、という。

分厚い展覧会のカタログの 274ページに、アアルトの言葉が紹介されている。
〈近代の形式主義の時代が終わり、今、建築は新しい課題に立ち向かおうとしている。機械に対して優位な立場に人間をおくことができるのは、芸術家よりも建築家であろう。建築家には明確な職務がある。それは建築材料の機械的な性質を人間的なものにすることである。しかし人間の創造には破壊が付きものだという矛盾を抱えている。………〉


やぎゅうまちこさんの『どこいくの』

やぎゅうまちこさんの『どこいくの』

 

信州  黒姫に住む  柳生まちこさんから、郵便がとどいた。開けてみると、絵本。『どこいくの』(こどものとも  年少版・福音館書店刊)。
女の子、ネコ、カエルたちが、ぶーらぶらと、楽しげに歩いて行くお話。眺めていると、その楽しさが伝わってくる。

柳生弦一郎、まちこさんが、黒姫で暮らすようになって、もう、何年経つだろう。「黒姫は、まだ雪がいっぱいだけど、光はもう春です。」と、そえられた手紙にあった。どうもありがとう。

 


ちひろの好きなワンピース

『ちひろのキッズファッション』展

『ちひろのキッズファッション』展

 

『ちひろのキッズファッション』展(ちひろ美術館  東京、5月6日まで)へ行く。いわさきちひろの描いたたくさんの絵の中の、たくさんの子ども服をみることができる。
「ちひろの好きなワンピース」というコーナーがある。白い丸襟、ふんわり膨らんだパフスリーブ、たっぷりギャザーの入ったフレアスカートを好んでデザインしたという。
館内においてある感想を書くノートに、「母がつくってくれた服を思い出しました」と書いてあった。

 


安らぎの平屋

安らぎの平屋

 

『チルチンびと』99  春号  の特集は「平屋の暮らし」と「古民家の再生と創造」の二本立て。さてその「平屋特集」の記事から、「丘陵に建てた安らぎの平屋」をご紹介します。

〈五感をやさしく刺激する平屋で、2匹の愛猫とともに夫婦は穏やかに過ごしている。設計した泉幸甫さんは「平屋は、真っ平らにつくるとちょっと退屈してしまう」と考察。「構造がよくなければ、見た目も美しくならない」と話し、優美な扇のような形の平屋の家を設計した。〉

なんと、優美な平屋 !


……
『チルチンびと』99 春号は、3月11日発売です。お楽しみに!

 


私、平屋を建てました

私、平屋を建てました

 

ともに、近頃人気といわれる平屋と古民家。『チルチンびと』99  春号 の特集は「平屋の暮らし」と「古民家の再生と創造」。ではその「平屋特集」のなかから、「ゆったりとした里山時間のある平屋」をご紹介します。

〈夫婦は設計について、大きく二つの要望を出した。それはシンプルで開放感のある平屋ということ、みんなが集まれる広さがあること、だった。工務店探しのときから平屋ということは決めていた。「平屋だと子どもの様子が伝わり、大きくなってからも、リビングを通って顔を合わせられる間取りがいいなと思いました」。そう、建主の奥さんは語っている。〉

平屋主義 !

……
『チルチンびと』99   春号は、3月11日発売です。おたのしみに!

 


古民家再生の物語

古民家再生の物語

 

『チルチンびと』99  春号の特集は「平屋の暮らし」「古民家の再生と創造」の二本立て
では、古民家の特集から ー 岐阜県大垣市にある、和洋折衷の館、三宜亭の場合。「記憶と技の伝承。古き良き建物を住みやすく再生する」をご紹介します。

〈改修設計は、数寄屋建築の第一人者・早川正夫氏に依頼した。まず着手したのは、傷みの進んでいた洋館部分。「洋館部分については、完全復元するために、モールディングなどをスケッチするところから始めました」。さらに洋館の壁と天井は、改修前と同じ左官仕上げにこだわった。「左官の技の伝承という面からも、ペンキではなく左官仕上げにしたかったんです。何度か失敗しましたが、腕のよい職人に出会い、きれいに復元することができました」。〉

古民家主義 !


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『チルチンびと』99  春号は、3月11日発売です。お楽しみに !

 


民家 希少物件情報 !

『チルチンびと』99  春号

 

『チルチンびと』99  春号

古民家 希少物件情報 !

『チルチンびと』99  春号 の特集は「平屋の暮らし」「古民家の再生と創造」の二本立て。では、その古民家の特集から。「新潟県十日町市・築120年  頑丈古民家あります」をご紹介します。

〈新潟県十日町市、雪景色の静かな集落に、その立派な古民家は建っていた。伝統的な中門造の古民家だ。持ち主だった方の話。「中越・中越沖・東日本・長野北部、四つの地震にも頑張って耐えた。冬になれば積雪は2メートルを優に超える。雪の重みに耐えられるよう民家は頑丈につくってあるから、結果的に耐震性にも繋がったんですよ」〉

いかがです?


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『チルチンびと』99  春号 は、3月11日発売です。お楽しみに !