西淑個展「ゆうげのむこう」@nowaki へ

チルチンびと広場のトップページ、また地域47都道府県のアイコンを、心和むイラストで表現してくれた西淑さん。

西さんの絵は、静かで、やさしく、あたたかい。けれどすこし憂いを含んでいて、どこかカラリと乾いている。あるときは森の中。あるときは夜の中。じっと観ていると、その世界の主人公になれるような引力がある。かといって強く主張してくるわけではなく、どこかに飾ってもけしてその空間を邪魔しない。西さんにしか醸し出せない、洗練と素朴が同居する不思議な空気が絵から漂ってくる。今回の舞台は食卓。料理も鍋も器もカトラリーも、おいでおいで、と誘っている。食いしん坊万歳。楽しく満ち足りた「ゆうげのむこう」へ、連れて行かれた。


会場となるnowakiさんは、昨年西さんから紹介していただいてから、なにかとお世話になりっぱなしだ。九州行きのきっかけもこちらだったし、今回の急の引っ越しの際にもいろいろ教えていただいて、私にとってすっかりご近所さん的存在になってしまった。店主のきくちさんは、ほんわかしながらアンテナの鋭い人で、いつ行ってもいい展示を開催している。作家さんと作品とをきちんとよく見て対話されているので、何も訪ねなくても聞きたかったことを教えてもらえる。センスのいい穴場スポットも色々知っている、ツボを押さえた頼れる案内人。三条京阪駅近くという、かなり便利な場所にもかかわらず静かで、町屋のゆるりと落ち着いた雰囲気も好きで、つい立ち寄ってしまう。

「ゆうげのむこう」は今月25日(日)まで。今週末は、西さんも在廊しています。