秋旅3/3[長野県・白骨温泉/諏訪大社]

[長野県・白骨温泉/諏訪神社]

秘湯はたいてい、しつこい山道をクリアしなければ到着しない。ひとつ間違えれば、転落してしまいそうな、細くうねる山道を、ひたすら進み、やっとたどりついた白骨温泉。このホッとする感じは、歓楽街としてではなく、江戸・元禄時代に湯宿が建ちはじめ、多くの湯治客が訪れたという、湯治場としての温泉だからだろうか。湧き出したときには透明な湯が、空気に触れて白濁する、湯が豊富で、新鮮な湯がとてもぜいたくだ。この温泉で炊く温泉粥は名物でもあり、消化器系の臓器の血流と、働きを良くするそう。しみわたるようなお粥は、じんわりとおいしかった。以前、温泉偽装で話題になってしまったことがあったが、現在は信頼を回復しているようだった。旅を重ねて最近は「露天や野天」より「内湯」の方が好きかもしれない、と感じている。

諏訪大社は、長野県諏訪湖の周辺に上社本宮、上社前宮、下社春宮、下社秋宮の4つの境内がある神社で、7年目ごとに行われる御柱祭でも有名だ。なんと、こちらの手水舎は湯気のたつ温泉だった。東参道から布橋と呼ばれる67mもの長い廊下を渡って、上社本宮に参拝し、ご朱印をいただき、旅のしめくくりに感謝した。

今回の旅では、その土地土地の、歴史ある旅館に宿泊させていただいたのだが、夜はその歴史の深さゆえ、いろいろと想像をめぐらせ過ぎ、根拠のない恐怖と、病み上がりという体調のため、眠れない夜が続いてしまった。想像するより、断続的な木のきしむ音は恐ろしいものだ。次回の旅は、ホテルに泊まろうかな…と思ったのでした。