ひと味違う、夏の「女子力」
取材のためにこの町に足繁く通っていたのは、春になりかけの、まだ肌寒いころだった。季節は変わり、むしむしもわもわと暑い。たった数か月なのに、西荻窪の駅を降りると、幾年も飛び越えてきたような気持ちになった。
まずはお決まりのコース、駅近でありながら喧騒とは無縁の居心地の良いカフェに入る。ほどよい甘さの冷たいカフェオレで暑さを癒し、向かった先は「魯山」。現在展示されているオーガニックコットンのパンツを、春から話に聞いて楽しみにしていたのだ。取材のときに、たまたま布のサンプルを見せてもらって、その質感と色づかいにやられた。器の店に下着を展示。その意外性と驚くほどの調和にも(写真だけで!)やられた。
実物を見てみると、やはり、いい!涼しげで、肌触りも色も優しい。毎日身に着けたい質がよくて素朴な可愛いパンツ。これはありそうでなかなかない。
一緒に展示されていた焼き物の二人の作品も、大胆で、かつ繊細で、素朴であり美しくもあり・・・とくに辰砂の何とも言えないピンクというか紫、赤、酸化した部分の薄緑が紫陽花みたいで、心をつかまれた。
大胆、素朴な七尾うた子さんの器、野性と優美を併せ持つ内田好美さんの器、中田絢子さんの優しいアンダーウエア。巷で女性誌の表紙を飾る「女子力」とは一味違う、女子三人の底力、ぜひ色々な方に観ていただきたいです。
「魯山」にて、7月30日(月)まで。