水をいける

チルチンびと100号

 

『チルチンびと』夏 100号の連載「花に聴く」(花・文    道念邦子、写真   ニック・ヴァンデルギーセン)を、読む。ここに、こういう文章がある。

〈  玄関先に水が打たれていると、それだけでも涼を誘う夏。いけばなも「夏は水をいける」という気持ちも添えて花と器を見立てなければね。と言っても何を、というわけではなく、たとえば広口の器を選んだとすれば、水際から立ち上がる花の姿に相当配慮することになる。そうやって「いける」ことに戸惑う自己自身を水面に映していると、水に流せない幼い日の記憶が呼び戻される。…… 〉

この記事のタイトルは、「夏は来ぬ」である。

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