想い出の安西水丸さん

安西水丸 a day in the life

3月15日のNHKテレビ『日曜美術館』は、安西水丸さんの特集だった。亡くなって、一年たつ。街を自転車で走る姿から、番組は始まった。ユーミン、嵐山光三郎、南伸坊 …… といった方たちの話が、流れた。
「初めて会ったとき、物静かで、ニヒルで、ダンディだった」
「日常のなにげないものを、ポンと取りだす名人」
「おもしろがることが、得意な人」
「小さな太陽が家のなかにやってきたような作品」
「北青山のマチス」
「全身イラストレーター」
「彼の描いた焼き海苔の絵を見て、よくやったなと思いましたね」
「手品みたいに、いなくなったね。サーっと …… もったいない」
どの声も、あたたかく、やさしかった。見ているうちに、胸のあたりが湿ってくるような気がした。そして、『チルチンびと』の連載の最後の回を、また、読んでみようと思った。