89歳の青春

平良敬一氏(写真右)が、建築家・大野正博さん

『チルチンびと「地域主義工務店」の会』全国定例会が、14日 、ひらかれた。いろいろな企画の中で、トリはやっぱり、この方。平良敬一氏(写真右)が、建築家・大野正博さん相手にトーク。

……  僕が自信があるのは、僕の感覚とか情熱とか情緒とか、コトバというより、見て感じるというところ。長い間、いろんな建築家とおつきあいして、そのなかでも、影響を受けた人、親しくつきあうことができた人は多いんですけど、みんなそれぞれ違う。その違いがあることをわかる人間には、少しは、なっているんですよ。
……  最初は、誰かの模倣で始まるんです。ぼくから見ると、ね。だけどいつの間にか、模倣を脱して、自分の地でつくるようになる。素材の選び方から、その素材をどう生かしてどういう空間に持っていくか、ということが、だんだんわかるようになる。そういうプロセスを建築家たちは、みんな身につける。
……  みなさんも、いい設計例をたくさん見ることだと思うんですね。たくさんいいものを見ていく間に、それをマネする感覚が出るんです。イメージをカタチにしていく、そういう感覚が生まれてくるわけだから、だんだんそれが自分の考えで、自分の感覚で、自分の情熱で、感情で、モノをつくることになったときに、そこで設計者は、一つ進歩するんです。ちょっと高いレベルになるんですね。

まだほかにも、建築の直線、曲線の話。建物のシワの話。そして、僕は、建築史の勉強が、ちょっとたりなかった、いま、いろんなものを、読み始めています、まだまだ勉強、という話。3月に、89 歳になるとうかがった。