無垢の木の住まいに調和する インドアグリーンで安らぎを

無垢の木の住まいに調和する
インドアグリーンで安らぎを
江戸時代に宿場町として栄えた街で、
祖父母の代から続く銭湯を営む松本さん。
自宅の建て替えにあたり、施主のために良い家づくりをめざす
真摯な姿勢に共感し、四季工房に家づくりを依頼した。
東京都足立区 注文住宅 四季工房 М邸
設計=横地義正・北島誠人 施工=㈱四季工房 写真=畑 拓 文=上野裕子
- 西側外観。右側に見えるのは銭湯の煙突。
- 広い玄関ホール。
四季工房の姿勢に共感し
家づくりを決意
以前はプロカメラマンとして、世界各国に赴き撮影をしていた松本さん。両親が高齢になり、家業の銭湯を継いだのは約20年前のこと。松本さんは「四季工房に出会う前は、今さら家づくりをしようなどとは考えてもいませんでした。たまたま新聞に掲載されていた四季工房の広告を見て、柏の葉展示場を訪れたのです」と振り返る。
- 階段の手すりは、アイアン作家・松岡信夫さんの作。住まいの各所に配されたアイアンが、空間をキリリと引き締める。
- 1階のサブリビングの主役は薪 ストーブ。
松本さんは展示場に一歩足を踏み入れ、木の香りと心地よい空間に圧倒される思いだったという。「かつての職業柄、世界各国の建物を見てきましたが、無垢材が醸し出す雰囲気に、これは本物だなと感じました」(松本さん)。また、一緒に展示場を訪れた次女も「お父さん、こういう家に住んだら私の人生変わりそう」と言うほど、気に入ったという。
- 広いカウンターを備えたアイランドキッチン。
四季工房が建てる家に魅了された松本さんは、その後、首都圏の別の展示場や、四季工房本社のある福島県の「ゆいの郷」などを訪れた。ゆいの郷は、四季工房が提唱する地域循環型の家づくりとエコロジーが実践されている場で、木材の加工場や化学肥料を使わない農場、伝統工法を継承するための大工育成塾などがある。「ゆいの郷で若い大工さんたちの真摯な仕事ぶりを見て、四季工房さんに家づくりをお願いしようと決意しました。さらに、野崎進社長とお話しして、意気投合したことも大きかったです」(松本さん)。
四季工房の野崎社長は「松本さんは私たちの仕事を真っ直ぐに信じてくださいました。そうしたお気持ちに感謝し、ご期待に応えられるように誠心誠意努めさせていただきました」と話す。
- ダイニングから和室を見る。四季工房がコーディネートしたリトグラフや家具が、端正な空間に調和する。
都心のオアシスのような
のびやかな空間
当初は1階にリビングを配する計画だったが、現地を訪れた設計士の提案により、2階リビングのプランに変更された。野崎社長は「リビングを2階にしたことで、光を十分に採りいれることができ、さらにリビングに太鼓梁を架けて、のびやかな雰囲気を実現できたと思います」と話す。どっしりとしたアカマツの太鼓梁について「準防火地域のため、通常より太い梁を使っています。これだけ太い材を揃えられるのも、国産の無垢材にこだわり続けてきた私たちの強みでしょう」と野崎社長。重厚な太鼓梁ながら圧迫感を感じさせないのは、白漆喰の天井を折り込むことで水平ラインをつくり、さらに壁面の梁に太鼓梁を架けることで奥行きを感じさせているためだ。
- 2階のコーナーには観葉植物を置いている。
- サブリビングとつながるオーディオルーム。「素晴らしい音に聞き惚れています」(松本さん)。
松本さんは、実際の面積以上の広さを感じさせるLDKに、観葉植物を置き花を生けることで、より安らぐ空間を演出している。「木の家だからグリーンが映えますし、観葉植物も生き生きと育っているように思います。私自身、この家にいると、まるで別荘にいるかのようにリラックスできるんです。2階のリビングも、薪ストーブを設置した1階のサブリビングやオーディオルームも居心地最高ですね」(松本さん)。長女一家が帰省したときも、新たな住まいは大好評だったそうで、なかでもイギリス人のご主人は「日本の家は素晴らしい」と大喜びだったという。
- 1階に設けられたタタミの間。
野崎社長は「私たちの建てる自然素材の家は、住むほどに味わい深く住み心地がよくなっていくのが特長です。竣工間もない今もよいですけれど、5年10年経つと、梁のアカマツなど深い色に変わってきます」と話す。時とともに味わいを深める住まいで、松本さんの充実した日々が刻まれていく。
所在地 | 東京都足立区 |
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面積 | 敷地 192.62㎡ 191.90㎡(1階 96.2㎡ 2階 95.64㎡) |
竣工 | 2019年12月(工期2019年9月~12月) |
設計 | 監修設計/横地義正(草空間設計) 基本設計/北島誠人(RE建築工房) |
施工 | ㈱四季工房 |
構造形式 | 木造軸組工法 |
主な外部仕上げ | 屋根=平瓦葺き 軒天井=ケイカル板 外壁=窯業系防火サイディング板14㎜ アクリル樹脂塗装吹き付け(コテ仕上げ) |
主な内部仕上げ | 天井=漆喰仕上げ、杉板張り、網代 壁=漆喰仕上げ、杉板張り、藁聚楽塗り 床=1階 杉無垢板厚30㎜|2階 檜無垢板厚24㎜、一部浮造り仕上げ |
株式会社 四季工房 東京支店
〒105-0004 東京都港区新橋2-6-5 外堀通り上一ビル 7F
私たちは、自然素材や国産材を使用し、
熟練した大工の手きざみ加工による日本の木の家づくりの伝統を受け継ぐ、
地域循環型の住まいづくりを実践しています。
住まいづくりを通して環境問題へ取り組んでおり、
地域主義工務店の枠にとらわれない事業経営、トータルな住まいづくりを行っています。
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