金沢の気候風土に寄り添う 健やかな自然住宅

石川県金沢市 注文住宅 夢工場
石川県

金沢の気候風土に寄り添う
健やかな自然住宅

LDKから桜の眺めが楽しめる住まいは、
地元・加賀の材を使い、伝統の技を駆使した木の家。
キッチンや建具、吹き抜け空間にも
住み手のこだわりがぎゅっと詰まっている。

石川県金沢市 注文住宅 夢工場 金森邸
設計・施工=㈱夢工場 文=安藤陽子 写真=相原 功

金森さん夫妻の住まいは、小川と公園に面し、春には満開の桜が楽しめる絶好のロケーション。「南側に隣家が建たない敷地だから」と、ご主人が即決したという。

玄関からLDKに入ると正面の窓に緑が広がり、その美しさに思わず声が上がる。薪ストーブを据えたワンルームは、柱・梁を現した真壁のつくり。床にはサワラ板、天井には土佐和紙が張られ、現代風にデザインされた格子戸や障子が目を楽しませる。

元プロによる工務店選び

家づくりではさまざまな夢を思い描いていたという夫妻。「庭でとれた野菜で食事をつくったり、デッキでおにぎりを食べたり。時間と手間をかけて、ほんわかとした暮らしを楽しみたいと思っていたんです」

実を言うと、ご主人の前職はハウスメーカーの営業マン。住宅の世界を知り尽くした元プロは、どのような基準でパートナーを選んだのだろう。「まず、国産材などの質のいい材料を使い、目に見えない裏側までていねいに仕上げてくれる会社ですね。他社でのシックハウスのケースを見聞きしていたし、長男がアレルギー体質なので、安全な自然素材を使っている工務店をネットで探しました。それが夢工場さんだったんです」

金沢は夏も冬も湿度が高く、雨や雪が多い気候なので湿気対策が欠かせない。金森邸は断熱性能を重視した仕様だが、木や漆喰壁、和紙などの呼吸する素材を使い、外壁の通気層や床下から湿気を逃がすつくりとしているので対策は万全だ。「ご希望により、壁の下地に竹小舞を掻いて、土を塗り込む土壁もおすすめしています。調湿性にすぐれているため、内部結露を防ぐ効果が高いんですよ」と夢工場の奥田隆行社長。

また、同社では長い歴史を経て今に伝わる地元の伝統工法を大切にしている。土台に能登ヒバ、柱・梁に加賀の杉材を使い、それらを「通し貫工法」で組み上げる。これは柱・梁の接合部ごとに〝くさび〞を打つことにより、地震などで建物にかかる力を逃がしながら吸収する構造だ。

二人で使いやすいキッチン

料理好きな夫妻がこだわったのはキッチン。リビングから丸見えにならず、子どもの様子がわかる配置とした。シンクとコンロのカウンターは分けて、作業スペースを広くしている。「洗って切る、焼いて盛り付けるという作業が振り返るだけで全部できます」と奥さまは満足そうだ。

また、ご主人には前職の経験から試してみたいプランがあった。一つは廊下をつくらない間取り。もう一つは、薪ストーブの上部に吹き抜けをつくること。上下階の温度差を少なくすると同時に、コミュニケーションをとりやすくしたかったという。その結果、LDKは広いワンルームとなり、吹き抜けを通じて家族の気配がわかる住まいになった。工事費を抑えようと家族総出で壁塗りに明け暮れたので、愛着もひとしおだという。「自然のものに囲まれていると安心しますね。張り合わせの材料は一つもなく、本物ばかり。我ながらいい家だなと思います」(ご主人)

石川県金沢市 注文住宅 平面図

所在地 石川県金沢市
家族構成 夫婦+子ども1人
面積 敷地 339.17㎡
延床 124.77㎡(1階 82.63㎡ 2階 42.14㎡)ロフト 4.95㎡
竣工 2010年11月(工期 2010年5月~11月)
設計・施工 夢工場
構造形式 木造軸組工法
主な外部仕上げ 屋根=日本瓦
外壁=防火サイディングの上弾性リシン吹き付け、一部杉板鎧張り
軒天井=杉野地板張り
主な内部仕上げ 天井=土佐和紙、杉板張り
壁=漆喰塗り
床=檜ハギ板(厚12㎜)、サワラフローリング(厚15㎜)

株式会社 夢工場
〒920-3112 金沢市観法寺町ろ-8-5
 
金沢市を中心に地域に根ざした、木の香りに包まれ、心も体も癒される自然素材の家づくりをしています。
素材が持つ特性や趣を十二分に理解し、適材適所に生かした伝統工法での家づくり。
住む方が末永く健康にお使いいただける家をつくることが私たちの喜びです。

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