まちなかの家に山小屋の楽しみを
まちなかの家に
山小屋の楽しみを
登山にスキーにキャンプ、1年を通して自然の中で遊ぶことが大好き。
そんな一家が選んだのは、琵琶湖まで歩いて行ける土地だった。
家づくりはこの地域の気候風土を知り尽くした工務店とともにスタートした。
滋賀県大津市 注文住宅 安土建築工房 N邸
設計・施工=㈱安土建築工房 写真=五十嵐秀幸
琵琶湖が悠然と広がる大津市郊外。深い軒に守られた、ゆったりとした玄関には素材のよさが一目で分かる、無垢の松を使った扉が。
中に入ってまず目を引くのは美しい木製の格子戸。造り付け収納の上の花器には新緑があしらわれ、住まい手からのもてなしの心を感じる。そこからリビングを見ると、和室まで続くのびやかな空間に驚く。四方を住宅に囲まれながらも家の中が明るく広がりを感じられるのは、ロフトまでつながる吹き抜けと、内部から続くウッドデッキの効果のためだ。
アウトドアなど多趣味なNさん一家。以前は神奈川に住んでいたが、夫婦の出身地である関西で家づくりをスタートさせた。ここを選んだ決め手の一つが琵琶湖まで徒歩5分で行けること。近くで水遊びやキャンプができ、通勤の便もよい立地が気に入った。
そして、土地探しと並行して工務店探しも進めた。イメージは「『チルチンびと』のような家」。そう考えたのは神奈川在住の頃『チルチンびと「地域主義工務店」の会』の会員社の家を見学し、木の家の心地よさを実感したからだ。関西でも狙いは地域主義工務店の会員社。最終的に滋賀の気候風土を熟知した「安土建築工房」をパートナーに選んだ。
伝統の技と
和モダンの融合
安土建築工房は、木材をプレカットではなく手刻みで加工することにこだわり、金物に頼らない伝統的な大工技術を尊重している。会社として責任を持って高い技術力のある大工を育てたいと、代々続く大工の家に生まれた西澤由男社長は語る。その考えが表れているのが、子どもたちの遊び場であるロフト。「山小屋みたい」とご主人が話すように、大人もわくわくする場所だ。天井は現しで木組を間近に見ることができ、ていねいな仕事ぶりに感動する。
設計を担当したのは竹内賢治さん。仕事のかたわら、木造建築を学ぶ「鴨川建築塾」に通い、デザインの力を高めてきた。N邸では住宅街でも自然を取り込めるよう、ウッドデッキをコの字型に囲むプランを提案。この土地の風向きや採光に配慮した計画を夫妻は頼もしく思った。デザインは夫妻の好みを聞き、大壁ですっきりと見せる和モダンに。
同社では、営業から引き渡しまで一人の設計者が担当する。建主が設計者に思いを直接伝え、信頼を築きやすいシステムだ。竹内さんとのやり取りについて「とことん付き合ってくれた」と奥さんは振り返る。
ご主人が望んだのはウッドデッキとつながる風呂。「毎日が露天風呂気分。湯気に木の香りが混ざって温泉のよう。ひんやりした空気が入ってそれがまた気持ちいい」とご満悦。デッキに出て思い切り湯を浴びるのが至福の時だそう。四季の空気を感じられる解放感。ここがまちなかであることを忘れてしまいそうだ。
所在地 | 滋賀県大津市 |
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家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
面積 | 敷地 159.82㎡ 延床 108.06㎡(1階 64.18㎡ 2階 43.88㎡) |
竣工 | 2014年3月(工期 2013年10月~2014年3月) |
設計・施工 | ㈱安土建築工房(設計担当/竹内賢治) |
構造形式 | 木造2階建て |
主な外部仕上げ | 屋根=ガルバリウム鋼板 軒天井=杉本実加工厚30㎜ 外壁=ジョリパット左官仕上げ |
主な内部仕上げ | 天井=杉本実加工厚30㎜、紙クロス 壁=漆喰、紙クロス 床=杉、檜 |
株式会社 安土建築工房
〒521-1311 滋賀県近江八幡市安土町下豊浦3300
安土建築工房は、滋賀で木の家の設計・施工・リフォームを手掛け、
「日本の伝統技術の継承」と「風土に根ざした建築」をコンセプトに
21世紀の本当にあるべき暮らしの姿、お客様が満足し長く愛着を持って住める家づくりを追求しています。
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