木の香りに満ちる平屋の住まい
木の香りに満ちる
平屋の住まい
愛知県 注文住宅 ㈲亀津建築 S邸
設計・施工=㈲亀津建築 写真=西川公朗 文=上野裕子
Sさん一家はもともと、この場所に建っていた築40年ほどの家に暮らしていた。ご主人は「いずれは新築するつもりで購入して、自分たちで床を張ったり壁を取り払ったりしながら、6年ほど住んでいました。家族の気配がわかるようにワンルームにしたのですが、耐震面は不安でした。冬の寒さや設備の不便さもあり、建て替えを決意しました」と振り返る。
建て替えにあたり、夫妻が参考にしたのが『チルチンびと』だった。奥さんは「私がぜんそくで、子どもたちも食物にアレルギーがあるので、自然派のお店に通っていました。そこで『チルチンびと』に出会い、いつか家を建てるなら、『チルチンびと「地域主義工務店」の会』の工務店さんでと考えていたんです」と話す。地域の会員社を見学する中で、亀津建築の完成見学会を訪れた夫妻は、シンプルなデザインにひかれたという。「その後何回か見学会に参加しましたが、どの家もシンプルで無駄がなくて、おしゃれで機能的なんです。ブレのない亀津建築さんのスタイルに共感するようになりました」(奥さん)。
Sさん夫妻が感じた亀津建築のスタイルは、亀津雅さん・薫さん兄弟が、小井田康和さんとの家づくりを通じて学んだものだろう。小井田さんとの仕事を経験した後、亀津建築が手がける家は、それまでの伝統的なスタイルから、シンプルかつ洗練されたものへと変貌を遂げた。雅さんは「初めて施工を依頼されてすぐ、小井田さんの自邸に来るように言われました。横浜の小井田邸に着くと、小井田さんはすでにビールを飲んでいて(笑)。その後も何度か、一緒にお酒を飲みながらお話しさせていただきました。設計理論もうかがうことができ、勉強になりました」と懐かしそうに語る。
平屋のプランを希望していたSさん夫妻。「他社ではコストがかかるからと2階建てをすすめられることが多かったんです」(奥さん)。ところが、敷地を見た雅さんは「この環境に見合う家を建てるべき。見晴らしがよく広いこの場所に平屋を建てない理由がない」と、夫妻の背中を押した。さらに、以前より家の位置を南にずらすことで、日当たりや風通しを確保するプランを提案。「前の家は日当たりのいいところが縁側で、リビングは暗かったんです。今は家中が明るくて、冬もポカポカ。風通しもよくなって、少し位置を変えただけでこんなにも違うのかと驚きました」(奥さん)。
設計にあたっては、「どういう暮らしがしたいかといったことはお話ししましたが、設備を何にするかなどの細かい部分は、亀津スタイルで間違いないと確信していたので、お任せしました」という。「私たちは、年をとってもずっとこの家に住みたいと考えています。自分の好きなテイストは変わっていくと思うけれど、亀津建築さんのデザインはきっと古くならない。ずっと楽しんで住めると思うんです」(ご主人)。その言葉を聞いた薫さんは、頷きながら「僕らは、これみよがしな家はつくりたくない。長く住み続けるうちにどんどんよくなる、そんな家づくりを続けていきたいのです」と言った。一人の建築家との出会いをきっかけに、自らのスタイルを築いた亀津建築。これからも多くの人に愛される家づくりを続けていくことだろう。
所在地 | 愛知県 |
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家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
面積 | 敷地 727.16㎡ 延床 102.07㎡ |
竣工 | 2019年7月(工期 2019年2月~7月) |
設計 | 亀津建築設計事務所(担当:亀津 雅) |
施工 | ㈲亀津建築 |
構造形式 | 木造軸組工法 |
主な外部仕上げ | 屋根=ガルバリウム鋼板 横葺き 軒天井=杉板張り 外壁=そとん壁 |
主な内部仕上げ | 天井=杉板張り 壁=漆喰塗装 床=赤身杉板フローリング |
有限会社 亀津建築
〒507-0068 岐阜県多治見市大藪町1618-47
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