第四回で「竹籠と時間」と題し、籠を編む前の材料づくりについて書きました。今回はその次の工程、編むということについて書きます。籠を形作るには「編組(へんそ)」と称し、編んだり組んだりしますが、その技法は多彩。代表的なもので、籠目(かごめ)とも呼ばれる「六つ目」や、「網代(あじろ)」「四つ目」などの名は一般の方でも耳にされたことがあるのではないでしょうか。今回は中でも四つ目を取り上げたいと思います。
四つ目というのは、四本の竹ヒゴで一つの編み目ができる編み方。縦横の材で構成されるいたってシンプルな技法ですが、籠は「四つ目にはじまり四つ目におわる」とも言われ、実は奥の深い技法でもあります。では編んでみましょう。
シンプルな技法ゆえに、材料のヒゴの作りがいい加減だったり、編み方が雑だったりすると目につきます。編み目が均等になるよう、爪で竹ヒゴを揃えながら必要な面積に広げる地味な工程がつづきます。ここまでは平面。立体の籠を作る場合には、ここから「起こし」または「腰あげ」という工程に進みます。立体で籠を作るやり方はいろいろありますが、今回は底面を編んだヒゴで、そのまま編み進める方法です。
両手で左右のヒゴをどんどん交差させて、籠を深くします。この方法で編む場合、材料を途中で足して深くすることは原則的にしませんので、はじめの材料の長さで籠の深さの限界が決まります。3枚目の画像の籠は、間に節が一つ入った長い材料で編んでいます。
さて、編み進めているうちに、文字数の限界が近づいて参りました。籠の制作はまだまだ途中ですが、つづきはまた次回。