大きな屋根の、丈夫な 無垢材の家

大きな屋根の、丈夫な 無垢材の家
東海

大きな屋根の、丈夫な 無垢材の家

エコ建築考房が建築家・構造家とタッグを組み、最新モデルハウス「春日井の家」を新設。
家族の存在を感じる生活空間と、
国産無垢材で「耐震等級3」を実現した、
自然素材の住まいを提案する。

愛知県春日井市 エコ建築考房 モデルハウス「春日井の家」
設計=田中敏溥+木下治仁 施工=㈱エコ建築考房 写真=輿水 進

建築家と提案する
大らかで自由な空間

「住まいは合板や集成材を使わず、自然素材で健やかに暮らせる家でなければならない」と考えるエコ建築考房が、ナゴヤハウジングセンター春日井会場内にモデルハウスを開設した。

東名高速道路春日井ICから車で約10分の会場にある、ひときわ大きな屋根が印象的な「春日井の家」。建築家の田中敏溥さんは、北側が大通りに面した南向きの敷地を見て、大屋根のイメージが浮かんだという。居住空間は「大らかさ、自由さを感じられる家」をテーマに設計した。

田中さんは夫婦二人と子ども二人の4人家族の住まいを想定し、動線を単純化したプランを立てた。玄関から家の中央にあるキッチンとダイニングの機能を兼ね備えたリビングへ。家族が必ずリビングを通り2階へと上るように階段も配置し、生活に連続性をもたせた。そして、約38.5坪のこの家で家族の日常と、人が集まる非日常性に応えることを考えたという。南側に面した場所に庭を設け、居住部分には、水まわりや十分な収納、物干し場、書斎、来客を気持ちよく迎えられる客間をつくった。

「家の大きさだけではない、空間のつくり方で人間の心を豊かにするということを意識してきた。特殊性(土地の条件や地域の気候など)を軸に、建主の個別性に応えながら、そこに普遍性をもたせるように設計している」と話す田中さん。モデルハウスではオフィス部分として使っている約8.75坪の部屋は、二世帯での暮らしを求める人や、お店を開きたいと考えている人にも対応できる空間として提案する。

構造家とともに
耐震実験
自然素材を使った構造材

東海地区は東海・東南海地震がいつ起きてもおかしくないといわれている地域。「つくり手が根拠ある耐震性を持った住まいづくりに責任をもつ必要性がある」と考える同社は、構造家の山辺豊彦さんの協力で国産無垢材を使った耐震等級3を実現した。「同じ耐震等級3でも国のすすめる仕様規定を選ぶのではなく、集成材・構造用面材ではない無垢材で、根拠ある架構(柱と梁を組む)や水平構面(床や屋根などの面)でつくる安全な住まいに意味がある」とマネージャーの鈴木雅文さんはいう。

一般的に住宅で使用される構造材は、構造計算がしやすい合板が多いが、同社は時間をかけて構造実験を重ね、無垢材の強度を裏付けた。そうした自然素材へのこだわりの中で、岐阜・東白川村の東濃ひのきを使った構造材でのFSCプロジェクト認証を取得。「『春日井の家』はFSC認証材を構造材に使用する、民間で日本初のモデルハウス。仕上げ面の中の見えない部分にも自然素材を使っています。木の香りやぬくもりを体感してほしい」と社長の喜多茂樹さんは、家づくりへの熱意を話す。

柱や土台には中低温乾燥した東濃ひのき、梁には天然乾燥の長良杉を使うなど国産材にこだわり、さらには建築家が考える心地よい生活空間を実践した「春日井の家」。ここには「住み心地アドバイザー」という女性スタッフがいて、モデルハウスだけでなく、そこで暮らす住み心地をていねいに伝えてくれる。この大屋根の下で、住まい手の具体的な暮らしのイメージを設計士に相談できる体制も整っている。「建てたあとが本当のお付き合い」を掲げる同社は、住まい手の健康を考えた家づくりを実現するために、労力を惜しまない。そこには建主に対して真摯に寄り添いたいという強い思いがある。

 

平面図

 

所在地 愛知県春日井市西山町2-8-1
ナゴヤハウジングセンター春日井会場内
面積 敷地 256.0㎡
延床 127.20㎡(1階 67.79㎡ 2階 59.41㎡ office 28.94㎡)
竣工 2019年4月(工期2018年9月~2019年4月)
設計 田中敏溥建築設計事務所 田中敏溥・木下治仁建築設計事務所 木下治仁
施工 ㈱エコ建築考房(現場監督:杉本英彰、鈴木雅文)
構造形式 木造軸組工法
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム鋼板横葺き(元旦ビューティ工業)
軒天井=杉板張り
外壁=左官仕上げ(コットンウォール)
主な内部仕上げ 天井=杉板張り
壁=漆喰塗り仕上げ(悠久楽土)
床=杉うづくりフローリング 38㎜

 

チルチンびと100号掲載|電子書籍でご覧いただけます。

 

株式会社エコ建築考房
〒491-0079 愛知県一宮市九品町4-22 
「愛知・岐阜で本物の健康住宅を考える」
住まい手の命や生き方を考えて安心できる素材を使い、地域にとけ込んだ一過性でないデザインを考え、
空気の流れや日当たり、気候などを活かした環境に共生できる家づくりを提案しています。

 

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