朋子さんのキッチン

朋子さんのキッチン

朋子さんのキッチン

シンプルだけど収納や設備機器、
細部に至るまでこだわりを形にしたキッチン。
将来、家でカフェを開くために必要な設備や手続きも紹介します。

作図=鈴木 聡(TRON/OFFice)・関島恵美子

将来、アトリエで飲食の提供を考えている朋子さん。アトリエのキッチンには、営業許可取得のため法規に則って設備を入れた。必要だったのは専用のシンク、肘まで洗える手洗い専用の流し、客席とキッチンを隔てるカウンター扉など。スペースが限られるので、トイレは家族用と共用にした。

朋子さんは最初のプランができると区役所へ相談に行き、指摘された点を関島さんが改善した。今後は、開店に向けて申請書類を提出し、自治体の担当者による現場の調査を受けることになる。これらの手続きと並行して食品衛生責任者の資格も必要だ。詳しい規定は営業内容と各自治体の条例で異なるので、自宅でカフェなどの営業を考えている方は確認してみては。

一方、家用のキッチンは子どもたちと料理を楽しみたいけれど、一人で料理に没頭もしたい、という方針。キッチンを2列にし、コンロとシンクはダイニングから見えにくいよう壁側の列に。対面式の作業台を含むもう1列は、キッチン収納とダイニング収納とが一体になったすぐれものだ。台所道具は取り出しやすさに加え、使う場所に応じて納め、使いやすいキッチンができた。

朋子さんのキッチン
キッチン
A:アトリエ側から見た家のキッチン。作業台の下には椅子が入り、料理の合間に休憩できる。 B:アトリエのキッチン。客が立ち入らないよう、カウンター扉を設けている。 C:二つのキッチンのつながり。アトリエは土間になっている。

家のキッチン 壁側
D:ガスコンロ下の収納。上段には浅型のフライパン、下段には鍋が納まる。その奥の引き出しは背の高い油も入るように注文。 E:タイル貼りの小物棚。壁は白いタイルに灰色の目地で仕上げ、さりげなく空間の印象を引き締めている。 F:吊戸棚の中にはたくさんのスパイスや乾物があるが、容器を揃えて統一感を。調理中、開けたまま使えるように引戸にした。
キッチン ダイニング側
G:よく使うマグカップや湯呑みは、見せる収納に。家電は寸法を合わせてすっきりと納める。 H:朋子さんのアイデアで、大皿は間仕切りで立てて収納。重ならないので取り出しやすい。 I:ザルやボウルは取り出しやすい場所に。扉がないオープンな状態なので乾きがよい。

Kitchen Data

ガスオーブン・アリッサ-1
左:ガスオーブンはどちらのキッチンからも使いやすい場所に設置。 右:子どもに合わせて調理した料理も、アリッサを加えれば大人の味に。

■キッチンのお手入れ方法
重曹で拭きあげる。ASKO の食洗機は大容量で五徳も洗える。
 
■重宝している設備機器
リンナイの業務用卓上ガスオーブンRCK-S10AS。点火すればすぐ高温に。リンナイ製はコンロも高火力が魅力。
 
■重宝している調味料
アリッサ。北アフリカ生まれのスパイシーな調味料。この日は中東料理のファラフェルとともに。ポトフや野菜スティックにもおすすめ。
 
-アリッサの材料(150cc 程度の小瓶二つ分)-
韓国産粉末唐辛子 30g
ニンニク 2片
コリアンダーシード 大さじ2
クミンシード 小さじ1
パプリカパウダー・塩 大さじ1
オリーブオイル 適宜
 
<つくり方>
軽く炒ったスパイス類を乳鉢で摺り混ぜ、ニンニク、唐辛子と塩を加えたらオリーブ
オイルを少しずつ足し、ねっとりするまで混ぜる。
煮沸消毒した瓶に入れ、オリーブオイルをたっぷりと注ぐ。
※2週間ほど冷暗所で熟成。開封後は冷蔵庫で保存し、早めに食べる。

チルチンびと 83号掲載

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