堅牢な木組と大屋根に守られた家

堅牢な木組と
大屋根に守られた家
東京都三鷹市 注文住宅 天音堂 リフォームラボ S邸
設計=瀬野和広+設計アトリエ 施工=天音堂 リフォームラボ㈱ 写真=川辺明伸 文=鈴木和宏
- 木の香り漂う開放的な室内。天然乾燥材は、内部の細胞が破壊されることがなく丈夫で、色艶も香りも人工乾燥材よりすぐれる。
かかわった全員が幸せを
感じる理想の家づくり
切妻の大屋根、深い軒の出に縁側など、昔ながらの民家を思わせるS邸。奥さんが実家の土地を相続したのを機に着手した家づくりは、建築家・瀬野和広さんとの出会いから始まった。かねてより古い農家などに憧れていた奥さんが、テレビで紹介された瀬野さんの作品に惹かれ、設計を依頼。そんな瀬野さんが工事を任せたのが、天音堂リフォームラボだった。両者が出会ったのは天竜の山。「天然乾燥材を求めて天竜に辿り着いた者同士、共感と信頼を感じました」と瀬野さんは言う。
- 主寝室から茶の間方向を見る。
- 手刻みによる木組は職人の腕の見せどころ。
- 縁側は奥さんの要望で。深い軒の出に守られた外縁と通路兼内縁が設けられている。
当初、天然乾燥と言われてもピンと来なかった夫妻も、天竜に足を運ぶことで、その価値を理解した。また、天音堂の棟梁伊東さんをはじめ、集まった職人たちの真摯な仕事ぶりに感動した奥さんは、お茶出しのために定期券を買って毎日現場に通ったという。「本当にいいものをつくろうという職人気質を感じました」(奥さん)。「餅まきでもやろうか」というご主人の言葉から盛大な上棟式が実現。その6カ月後には、開放的な室内空間に太い柱梁、がっしり組んだ木組に思わず目を見張る、職人技が随所に宿る家が完成した。「この家にかかわった全員が幸せを感じる、そんな家づくりができたような気がします」と上利さんが静かに頷いた。
- 障子を多用した落ち着いた空間。屋根窓から光が室内に導かれる。
所在地 | 東京都三鷹市 |
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家族構成 | 夫婦 |
延床面積 | 118.41㎡ |
竣工 | 2015年3月(工期 2014年5月~2015年3月) |
設計 | 瀬野和広+設計アトリエ(設計担当:新井まいこ) |
施工 | 天音堂 リフォームラボ㈱(棟梁:伊東 功) |
構造形式 | 木造平屋 |
主な外部仕上げ | 屋根=ガルバリウム鋼板 軒天井=天竜TSドライ天然乾燥杉赤身 外壁=ラスモルノンクラック通気弾性リシン吹き付け |
主な内部仕上げ | 天井=EP塗装 壁=すぎのこしっくい(漆喰九一) 床=天竜TSドライ天然乾燥杉赤身 |
天音堂 リフォームラボ株式会社
〒154-0002 東京都世田谷区下馬6-12-18
「適材適所の素材や工法」「日本の風土に合う先人の知恵や技術」
「現代のあくなき探究心から生まれる新しい技術」
そして、「環境負荷が少ないパッシブのしくみ」を融合させた
「オーガニックエコ=繋がり・循環するすまい」を提案します。
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