気持ちよく集まって住む二世帯住宅の考え方
気持ちよく集まって住む
二世帯住宅の考え方
二世帯住宅も人が集う一つのあり方。
生活エリアを分けない「同居型」以外に、
適度に距離を保つ「部分共用型」「完全分離型」があります。
ここでは部分共用型と完全分離型を紹介します。
【部分共用型】お互いが暮らしやすい距離感を探る
「サザエさん」の家のように、親世帯・子世帯ともに区画を分けない住まい方が「同居型」です。「同居型」のメリットは、設備やLDKも共有するので費用とスペースを抑えられること。ただし、生活スタイルの違いから衝突が生まれる可能性もあります。
各世帯それぞれのスペースのほか、どちらも使う共用部分を持つのが「部分共用型」です。
部分共用型でも、距離を置きつつ、水まわりを共用しているケースが図1です。LDKは各世帯にありますが、玄関はアプローチから分け、1階の水まわりを含む共用部分を介して室内から互いに行き来できます。庭も共有し、室内だけでなく外から各世帯をつなぐ役割を持ちます。どんな同居にしたいか、暮らしのイメージにあわせて向き合い方を建築的に調整することが大切です。
【完全分離型】仲良く暮らすために距離を置く
「完全分離型」は生活動線がまったく重ならないプランです。
言ってみれば二世帯だけのためにある集合住宅。こちらで紹介した加藤武志さん設計のO邸も完全分離型です。
図2のケースは、玄関も別、室内からの行き来もしない各世帯が自立したプラン。ただし、将来の変化に柔軟に対応できるよう、1階居室の壁は取り外すことを想定してつくっています。
2階から上を子世帯にする場合、玄関の場所は親世帯と同じ1階にする方法と、外階段で2階に設けることも考えられます。玄関の関係は敷地の特徴や世帯間の行き来の頻度に応じて検討しましょう。
【二世帯住宅を建てる前に、建築家からのアドバイス】
・「家族だからみんな仲良く」と簡単にはいかないもの。本当に集まって住むべきか徹底的に話し合いを。
・将来的に壁を取り外せる位置を考えておくと、世代交代する際に柔軟に対応できる。
・住み始めると言い出しづらくなるので、あらかじめ暮らす上でのルールを話し合っておく。
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