子育ても、暮らしも 自然体で楽しめる住まい

神奈川県 注文住宅 ワイズ
神奈川県

子育ても、暮らしも
自然体で楽しめる住まい

昔ながらの左官技で仕上げる丈夫な土壁を自社の標準仕様に、
20年後、30年後も居心地よい家をめざすのが、湘南エリアの工務店、Y’sだ。
共働きの子育て世帯のために手がけた和モダンの家では、
奥さんの望んだ使いやすいキッチンを実現した。

神奈川県 注文住宅 Y’s A邸
設計・施工=㈱Y’s 写真=畑 耕 文=石川祐子

土壁に惚れ込んで

和室の壁は土の素朴な色と風合いに上品さが加わった切り返し。ペレットストーブの背面は土を固めて積み上げた頑丈な版築。家族が集うリビングは、さっぱりした質感の糊土仕上げ――。

A邸では、壁の位置や用途に応じていくつもの左官技術を使い分けている。特に糊土仕上げは「土色だとリビングが暗いイメージになるのでは?」と心配した奥さんのために、Yʼsの山本康彦社長が原料の土も白系にこだわった。そして生まれた柔和な白色は1階の空間に明るさと落ち着きをもたらしており、奥さんも満足の様子。ご主人は「糊土仕上げって、今回初めて知りました。山本さんからは学ぶことが多く、家づくりが楽しかったですね」と話す。

建売かマンションを考えていた夫婦が最終的にYʼsに決めたのは、土壁の魅力によるところが大きい。同社は左官出身である山本社長の知識と技術を生かし、木摺りを下地に使うなど昔ながらの手法を踏襲している。ご主人はそうした本物の技が醸し出す深い味わいを、すっかり気に入ってしまったのだ。

夫婦はまた、山本社長の「20年後も居心地よく魅力の増す家づくりをしています」との説明に大いに触発された。「忙しい目先のことに追われがち。でも家は一生付き合っていくものだとあらためて気づかされました」とご主人。奥さんは、Yʼsの住宅見学会で目にした造り付けキッチンや棚のしっかりとした出来栄えに、 クオリティの高さを感じたという。

機能も雰囲気も
充実のキッチン

居に奥さんが求めたのは、使い勝手のよいキッチンだ。「共働きなので、手早く作業できるよう大きな調理台とシンク二つ、それに収納もたくさん欲しいとリクエストしました」と話すように、キッチンはプロの厨房を思わせる広さと簡潔さ。北壁に接した調理台は、幅が約2.5メートルもある。これなら数種類の料理の支度が一挙にできるし、家族みんなで立っても余裕だ。

キッチンの東側にはパントリーや洗濯室をまとめ、家事動線の短縮にも配慮。奥さんは「収納が多く生活動線もよく考えた間取りで使いやすいですね」と頷く。

吹き抜けに掛かる太い梁もいい味わいだ。Yʼsは旧家の解体で出る古材の再利用に積極的で、ストックも多い。「A邸では築180年の旧家のカエデを使用しました」と山本社長。

最後にご主人の感想を。「土壁を自宅に使うことで左官技術の伝統を伝える。それは住まい手の役割だと今回、感じました。我が家を見て土壁を選ぶ人がいて、次世代へと伝わって―― そんな連鎖の一端を担えたらと思います」。Yʼsの土壁の魅力、A邸からも広がっていきそうだ。

所在地 神奈川県
家族構成 夫婦+子ども2人
面積 敷地 253.77㎡
延床 131.72㎡(1階 84.19㎡ 2階 46.93㎡)
竣工 2016年7月(工期 2015年10月~2016年7月)
施工・施工 ㈱Y’s
構造形式 木造2階建て
主な外部仕上げ 屋根=ガルバリウム、横葺き
外壁=木摺り漆喰+オリジナル土調掻き落とし仕上げ+大津壁
軒天井=杉羽目板
主な内部仕上げ 天井=杉羽目板
壁=木摺り土壁、糊土仕上げ、版築、和紙貼り
床=杉板30㎜厚

チルチンびと92号掲載

株式会社 Y’s
〒253-0021 神奈川県茅ヶ崎市浜竹3-4-64
 
湘南地域を中心に現地調査からアフターサービスまで一括して自社で行っている会社です。
仕上げ材にはもちろん無垢材や自然素材をこだわって使用しています。
木造軸組工法の構造材は基本的に出荷証明の明らかな国産材を限定使用し、
耐震性・断熱性・遮音性等、中身にもこだわり安全な家を目指しています。

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