メンテナンスで薪ストーブの健康診断を
![メンテナンスで薪ストーブの健康診断を](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/main.jpg)
メンテナンスで
薪ストーブの健康診断を
薪ストーブを使いっぱなしにしていませんか?
そのまま翌年使ったりするのは、火事のリスクも高まり本体にもダメージを与えます。
メンテナンスをすれば、適切な使い方ができているかどうかの診断もできます。
自分でできるところ、プロに任せるところを把握し、きちんとお手入れをしましょう。
監修=西川博之(薪ストーブ・メンテナンス専門店 ショルン) 写真=米谷 享
![薪ストーブ](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/01-1.jpg)
![薪ストーブ 背面](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/02-1.jpg)
![今回メンテナンスをしたのは、バーモントキャスティングス社のアンコール2040 というストーブ。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/03-1.jpg)
解体された薪ストーブの部品
![解体された薪ストーブの部品](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/04-1.jpg)
1.2. ウォーミングシェルフ(オプション品) 3. クッキンググリドル 4. リフラクトリーエンジン 5. ファイヤーバック 6.7. リフラクトリーエンド 8. バイパスダンパー 9. ファイヤーバックプレート 10. アクセスパネル 11. インナーパネル 12. キャタリティックコンバスター 13. トップ 14. アウターバック
今回使用したメンテナンス用道具
![今回使用したメンテナンス用道具](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/05-1.jpg)
1. 煙突掃除用ワイヤーブラシ 2. アルカリ電解水 3. ガスケットセメント 4. シリコンシーラント 5. ストーブポリッシュ 6. スレッドコンパウンドスプレー(焼き付き防止剤) 7. スレッドコンパウンドクリーム 8. メンテループ(防錆潤滑スプレー) 9. ラスペネ(浸透潤滑剤) 10. 業務用掃除機(建築用のもの) 11. バール 12. 金属ブラシ 13. レンチ 14. 六角レンチ 15. 養生ラップ 16. ドライバー 17. 刷毛 18. ハンマー 19. ザイル 20. ヘルメット 21.STANLEY の道具箱
煙突の掃除
煙突内に残った煤は、火事を引き起こすおそれがあります。
高所から落ちる危険性もあり、煙突掃除はプロにお願いしたい。
![煙突の掃除](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/06-1.jpg)
![ストーブ裏の煙突の根元のビスをは
ずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/07-1.jpg)
![煙突を持ち上げてできた隙間にバットを入れる。これは、こぼれてくる煤を受け取るため。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/08-1.jpg)
![②のバットごとゴミ袋で覆い、煤が飛ばないよう口を養生ラップで留める。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/09-1.jpg)
![今度は屋根に上がって煙突トップ部分を取りはずし、中の煤を拭き取る。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/10-1.jpg)
![裏側も同様に拭き取る。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/11-1.jpg)
![煙突掃除用ワイヤーブラシの先端。ここで煙突内の煤を取り除く。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/12-1.jpg)
![煙突掃除用ブラシを差し込み、根元まで3 〜4 往復上下させる。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/13.jpg)
![煙突トップを取り付け、外側も拭く。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/14.jpg)
![出てきた煤をゴミ袋に入れ捨てる。根元のビスをしっかり固定して終了。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/15.jpg)
![](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/16_1.jpg)
トップの掃除
鍋などを置いて調理する台をはずして掃除しましょう。
ここは初心者でもできる箇所。
![ウォーミングシェルフ(オプション品)をはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/18.jpg)
![クッキンググリドルを開け、裏側についた煤や汚れを、業務用掃除機で吸い取りながら金属ブラシで取り除く。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/19.jpg)
![汚れが取れたらクッキンググリドルをはずし、天板裏側のビスをゆるめる。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/20.jpg)
![重いので落とさないように気をつけながら天板をはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/21.jpg)
![天板を裏返す。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/22.jpg)
![裏側も、煤や汚れを業務用掃除機*で吸い取りながら金属ブラシで取り除く。このときガスケットも摩耗していないか確認する。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/23.jpg)
*家庭用掃除機を使用すると、細かい灰でフィルターの目が詰まるおそれがあるので注意。
炉内の掃除
炉内のつくりは複雑で、点検箇所もたくさんある。
部品をきちんと元に戻す自信がなければ、最初からプロに任せよう。
![炉内に残った灰をスコップなどで取り除く。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/24.jpg)
![細かい灰は業務用掃除機で吸い取る。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/25.jpg)
![まわりを傷つけないよう注意してバイパスダンパーを取りはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/26.jpg)
![裏返し、ガスケットの摩耗を確認する。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/27.jpg)
![右が新しいガスケット。ガスケットは摩耗すると熱で白くなる。白く変色したら交換時期。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/28.jpg)
![隙間に入り込んでいる細かい煤や汚れを刷毛で取り除き、業務用掃除機で吸い取る。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/29.jpg)
![アクセスパネルを取りはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/30.jpg)
![インナーパネルを取りはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/31.jpg)
![ファイヤーバックをはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/32.jpg)
![ファイヤーバックプレートをはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/33.jpg)
![リフラクトリーエンジンについている煤を業務用掃除機で吸い取る。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/34.jpg)
![奥の細部の汚れも金属ブラシで掃除する。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/35.jpg)
本体表面の掃除
焦げ付いた鍋の吹きこぼれなどもきれいにしましょう。
靴磨きの感覚で自分でできます。
![はずしたネジにはスレッドコンパウンドクリームを適量つけ、固着を防ぐ。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/36.jpg)
![①と同じクリームを焦げ付いた汚れの上に載せ、金属ブラシで擦り取る。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/37.jpg)
![ストーブポリッシュを適量載せていく。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/38.jpg)
![潤滑剤を雑巾にしみ込ませる。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/39.jpg)
![潤滑剤のしみ込んだ雑巾で、ストーブポリッシュをなじませていく。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/40.jpg)
![全体を同じ手順できれいにする。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/41.jpg)
フロントドアガラスの掃除
ガラスに煤がついていては、火の燃え方が見えません。
気がついたら自分でもやってみよう。
![フロントドアを取り外し、裏のガラス部分にアルカリ電解水を吹き付ける。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/42.jpg)
![キッチンペーパーを置き、その上からアルカリ電解水を吹き付け貼り付ける。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/43.jpg)
![少し置いてからキッチンペーパーを、汚れを拭いながら剥がす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/44.jpg)
![残った汚れをキッチンペーパーで拭く。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/45.jpg)
![きれいになったガラス部分。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/46.jpg)
![アルカリ電解水だけでここまできれいに。フロントドアを戻す。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/47.jpg)
ドアの締まりを確認する
![ドアの締まりを確認する](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/48_1.jpg)
そのほかの確認
![キャタリティックコンバスター 灰受け皿](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/50-1.jpg)
![](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/52_1.jpg)
(左)背面の点検では、1次空気取り入れ口と2次空気取り入れ口に埃などが溜まっていないか確認を。角度的に見るのが難しいときは鏡などを使うのもいい。(右)2次空気取り入れ室に灰などが落ちていないか確認を。灰などがあると取り入れる空気の量が減ってしまうため。
![チェーンソーのメンテナンス](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/title01.jpg)
![カバーを取りはずす。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/54.jpg)
![中に詰まっているオガクズをほうきやブラシで取り除く。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/55.jpg)
![チェーンソーの歯をメーカー純正の研ぎ器で研ぐ。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/56.jpg)
![斧のメンテナンス](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/title02.jpg)
![用意するのはメーカー純正の砥石とヤスリ。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/57.jpg)
![まずヤスリで錆びを削る。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/58.jpg)
![水で湿らせた砥石で刃がきらりと光るまで、くるくるまわしながら研ぐ。](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/59.jpg)
火を楽しむ秘訣は
薪ストーブに愛着を持つこと
![火を楽しむ秘訣は
薪ストーブに愛着を持つこと](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/61.jpg)
「薪ストーブのメンテナンスを自分でできるようになると、さらに愛着が湧きますよ」。そう笑いながら話すのは、薪ストーブ・メンテナンス専門店「ショルン」のオーナーの西川博之さん。愛知県は知多半島の先端に近い海沿いのまちで、古民家を自ら改装し、拠点にしている。メーカーを問わずメンテナンスを行う西川さんは業界では異色。
実は西川さん、以前は設計事務所勤めだった。しかし、かたちだけを追い求めていた自分の生き方に疑問を感じていた時、建主から「家の中に火がほしい」という依頼を受け、薪ストーブに出会う。「アンコールっていう機種がかっこよくて。家の中で火遊びができる、という発想にぐっときてしまいました」と振り返る。
感動と同時に心に蘇ってきたのは、遠い昔の火の記憶だった。幼少期、お盆やお正月に祖父の家を訪れては、薪で風呂を炊いたり、おくどさんで餅を湯がいたりしていたという。「当たり前すぎて忘れていたんです。その火の思い出がふっと心に戻ってきて、これだ、と。古い良い本を、本棚からもう一度見つけたような気分でした」。
その後、薪ストーブメーカーに勤務した西川さんは、さまざまなユーザーと交流する中で、ある問題に気づく。「機種が古すぎたり、保証の問題などで、修理やメンテナンスを受けられず困っている方が多くいたんです。そのせいで煙道火災も起きていて。でも、火を使いたいという気持ちは皆同じ」。その後、メーカーに勤務しつつ、休日はほかのメーカーやストーブ工房へ行き、さまざまな機種のメンテナンス方や構造を勉強した。
メンテナンス専門家として独立して5年。各種、火にまつわる相談にのっていたところ、設置工事も依頼されるように。そのほかメンテナンス講習会を開くなど、正しい使い方の指導も行っている。「薪ストーブを正しく理解してのめり込んで、そして火と仲良く遊んでほしいですね」と西川さんは熱く語る。
薪ストーブ・メンテナンス専門店 ショルン
本体の設置や、買い換え・薪の手配なども行っている。〒470-3235 愛知県知多郡美浜町大字野間中新田97
☎ 0569-77-2889
E-Mail:squareone2006@gmail.com
![](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/62.jpg)
撮影協力:CRUSOE wood works
古い家具のリメイク、木工事、薪販売、造形教室など。愛知県知多郡美浜町大字野間本郷157
E-Mail:crusoe.wood@gmail.com
![](https://www.chilchinbito-hiroba.jp/housing/home/wp-content/uploads/2023/10/60.jpg)
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