花と緑をもっと楽しみたい! ウッドデッキ快適術

花と緑をもっと楽しみたい! ウッドデッキ快適術

花と緑をもっと楽しみたい!

ウッドデッキ快適術

庭の花や緑を眺めたり、家族やお友だちと楽しいひとときを過ごしたり。
リビングの延長として人気のウッドデッキですが、
「思ったほど活用できていない」という声も、意外に多く聞かれます。
せっかくのウッドデッキをめいっぱい楽しむためのアイデアをご紹介します。

イラスト=中村みつを

ウッドデッキ
ウッドデッキ快適術①
虫対策

開放感が人気のウッドデッキ。でも蚊やハチなどの虫はやはり気になるもの。蚊は夏に発生するイメージですが、じつはその活動期間は4月から11月と長いのです。特に小さなお子さんのいる家庭では対策していればより安心です。

防虫ウッドデッキをつくる

虫の侵入を防ぐ床の張り方

床の隙間から虫が入らないように、デッキ材の張り方を工夫しましょう。

デッキ材を敷き詰める

デッキ材の収縮で隙間が空いても虫が入らないような継手方法を選ぶ。隙間に指が入って怪我をする心配もなく、掃除もしやすい。

【本ざね継ぎ】デッキ材の両傍に凹凸をつくり、それぞれを噛み合わせて板を継ぐ方法。
【雇いざね継ぎ】デッキ材の両傍に溝 をつくり、別の材をはめ込んで板を継ぐ。デッキ材の有効幅を生かせる。

床板の下に網を張る

デッキ材の下に網を張り隙間を空ければ、風通しもよくなる。網は経年劣化の心配が少ないステンレス製を選ぶ。網の掃除を考慮するなら、隙間は掃除機のノズルが入る幅以上に。

床板の下に網を張る

ウッドデッキの床下について
土のままにしておくと、雑草が生え虫の温床となってしまう上、湿気がこもりやすく床材の劣化を早めてしまうことも。床下はコンクリートがおすすめです。湿気もあがりにくく、掃除も比較的ラク。黒い防草シートや砕石、豆砂利、瓦のリサイクル品などを敷くという方法もありますが、シートは経年劣化もあり見た目も美しくありませんし、その他の方法も完全に草が生えないとは言えません。ウッドデッキができた後では、費用や手間もかかります。つくる前に計画しておくとよいでしょう。

建具はどう取り付ける?

網戸を取り付ける

季節や時間に応じて自在に開閉できる網戸を付ければ、ウッドデッキ活用の幅が広がります。

網戸
建具

同幅の開口部でも、引き違い戸の建具の枚数によって、開口幅が異なる。引き込みにできればさらに開放的。隙間が生じやすい戸車は付けないほうがベター。開口部が広くとれる横引きロール網戸は全開放が可能。片側にすっきり収納ができるため、省スペースにもなる。

開放的な空間をつくる建具の収納方法

国内の古い建築には、建具を入隅や出隅の角で回して収納する工夫が見られる。ウッドデッキの網戸にも活用できる先人の知恵だ。

開放的な空間をつくる建具の収納方法

用途に応じて適切な網を選ぶ

クロスキャビン

従来の網戸ネットの約160分の1という微細な網目が花粉、埃、粉塵などの侵入や小雨の吹き込みを軽減する。また、レ
ースのカーテンのように、外部からの視界を遮る効
果もある。

住江織物㈱ 問合せ:0120-017357

光触媒防虫網ピュアネット

光触媒防虫網ピュアネット

酸化チタン光触媒コーティングにより、紫外線を浴びることで汚れを分解。浮き上がった汚れを雨水が洗い流してくれる。お手入れ簡単な画期的防虫網。実用新案登録商品。

㈱共栄ネット

ペットディフェンス

ペットディフェンス

ポリエステル繊維をPVCコーティング。網戸用樹脂製ネットとしては他に類を見ない強度と耐久性。犬や猫など、ペットによる引っかきにも耐え、しかもペットの爪にもやさしいのが特長。

㈱イノベックス 問合せ:03-3547-6117  

エクシード

エクシード

グラスファイバーにPVCコーティングを施した網。目ズレせず、カットしてもほつれないため、通常の網戸枠以外への加工・取り付けに。通常の網戸と比べて耐久性も大幅にすぐれている。

㈱イノベックス 問合せ:03-3547-6117

一般的な網戸

ステンレス網戸

ステンレス網戸

耐久性・耐候性にすぐれる。16〜40とメッシュ(平織りされた網の1インチ(25.4㎜)の中にある目数を表す単位)のバリエーション豊富。

一般の樹脂製網戸

一般の樹脂製網戸

主にポリプロピレン製で18〜26メッシュが主流。DIYで容易に張り替えが可能。


屋根 上からもしっかり防虫

軒を深くすれば、虫だけでなく、日差しや雨からもデッキをガードします。建物に合わせて材質を選びましょう。

屋根

「防虫ウッドデッキ」 のある家

「防虫ウッドデッキ」のある家 福岡県 K邸

玄関アプローチを兼ねたウッドデッキ

Kさんの住まいは、英国調の三角屋根が印象的な木の家。玄関前のウッドデッキからは丹精された美庭を眺めることができます。自然がいっぱいの恵まれた環境ゆえに、Kさんは毎年春から秋にかけて大量発生する蚊に悩まされていました。しかしウッドデッキに網戸を入れたことで、その煩わしさが一気に解消。気候のよい季節には玄関を常に開け放ち、蚊を気にすることなく外の風を室内に取り込んでいます。

「防虫ウッドデッキ」をつくる

虫を寄せつけないウッドデッキをつくるためには、どんなことに留意したらよいのでしょう。K邸の現場監督を担当した㈱未来工房の平田義雄さんにお話を聞きました。

  

――網戸を入れる際に工夫した点は?

網戸の納まりについては、大工および建具業者と十分に打ち合わせを行いました。建具を開けた際に視界がなるべく広くなるよう、引き込みと建具の幅には注意しました。

――通常の建具とどんなところが違ったのですか?

サイズの大きい造作網戸ですので、強度を十分に確保するため、網戸に中桟を設けました。見た目を重視して中桟の設置高さをデッキの手すりに合わせ、外部から見た際に、すっきり見える仕上げにしています。また、台風のときなどは簡単に取り外しができるように工夫しています。

――網戸以外に手を入れたところは?

床の隙間にも考慮し、デッキ床板を張る前にステンレスの網を敷き込んでいます。また、Kさんはもともと深い軒の屋根をご希望でしたので、それが結果的に上からの虫の侵入も防いでいます。

――「防虫ウッドデッキ」の設置を検討する方へひと言。

虫を完全にブロックするには、すべての隙間を塞がないと意味がありません。建具の設置や納まり具合など事前に十分に検討が必要です。虫の侵入を防いで、ウッドデッキライフをより快適に楽しんでいただければと思います。

写真提供=㈱未来工房


ウッドデッキ快適術②日よけ雨よけ

ギラギラと太陽が照りつける暑い季節や雨降りの日、また、西日がまぶしい時間帯など。シーズンだけでなく、1日を通して、いちばん心地よい空間をつくることができれば理想的です。

日差しや雨をどうよける?

中央からの視線をよける
ウッドデッキ快適術③ プライバシーを守る

開放感たっぷりなウッドデッキも、人の視線が気になってはリラックスできません。光や風は通しながらも外部からの視線を遮り、かつ街並みの景観と調和する空間を計画しましょう。

光や風を通す目隠し

チルチンびと 97号掲載

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