里山に佇む木の家
里山に佇む木の家
町中のしがらみに囚われない。
ほどほどの距離感が心地よい里山での暮らし。
石川県能美市 さとやま工房 さとやま設計社 モデルハウス
設計・施工=さとやま工房 ㈱さとやま設計社 写真=畑 耕
里山での暮らしを応援
高断熱の木の家
田畑の中にこぢんまりした民家が混在する石川県の里山。急斜面を少し上がった場所にあるのがさとやま設計社だ。
奥まった場所にあり一見訪ねにくいこの地だが、〝わざわざ立地〟と言い、里山での生活を求めるお客さんがわざわざ訪ねてくるのだとか。
岩井庸之介社長と奥さんで建築業・不動産業を、息子さんが事務所に併設された〝さとやまカフェ〟を営み、家族経営で里山での心地よい暮らしを提案している。
今回訪れたのは、さとやま設計社から徒歩5分ほどの距離にある昨年10月に竣工したばかりのモデルハウス。
オール無垢材で建てたこのモデルハウスはチルチンびと仕様となっているのが特徴である。また、冬は寒く、夏は高温多湿になる北陸の地でも快適に暮らせるよう、気密性と高断熱性にもこだわった。
ワンルームとなっており、見通しのよい気持ちのいい空間となっている。都市に比べ整形地を求めやすい地方だからできた大らかな間取りだ。また開口からは北西に広がる畑と山と空が借景となり伸びやかな空間が広がる。
「うちでは薪ストーブを導入したお客さまには最初の1年は薪の仕入れ先をご紹介するのですが、次の年には皆さん薪ストーブのために軽トラやチェーンソーを購入しご自身で薪集めのネットワークも開拓され、薪ストーブライフを楽しまれていますよ」(岩井社長)。
職人の技はなくならない
『チルチンびと「地域主義工務店」の会』に入会し4年目を迎えた同社。他会員工務店から刺激を受け、今回チルチンびと仕様のモデルハウスを建てた。
大工さんを相手にする地元の材木屋を中心に、全国の会員と情報交換をしながら天然木を仕入れている。「阿吽の呼吸でやってくれる職人の技は、今後もなくなることはないと思うんです。僕らが生きていく道はそこしかない。大工仕事はほんのわずかというハウスメーカーが多い昨今ですが、そことは完全に違うニッチなことを追求していきたいと思います」(岩井社長)。
所在地 | 石川県能美市湯屋町40-3 |
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面積 | 敷地 165.1㎡ 延床 113㎡ |
施工 | 2019年10月(工期 2019年5月〜10月) |
設計・施工 | さとやま工房 ㈱さとやま設計社 |
構造形式 | 木造軸組工法 |
主な外部仕上げ | 屋根=ガルバリウムAT葺き+ヨドコウ棟換気ユニット 軒天井=檜母屋現し、杉野地板張り 外壁=檜板張り+ガルバリウム貼り |
主な内部仕上げ | 天井=杉羽目板張りまたはラフファーザー張り 壁=漆喰左官仕上げ 床=杉板厚40㎜ 浮造り仕上げ |
さとやま工房 株式会社 さとやま設計社
〒923-1211 石川県能美市旭台2-13-2 いしかわクリエイトラボ118号室
自然素材の使用を前提とした「柔らかく温かい建築」を目指します。
高価な無垢材はどうしても手加工が多くなりますが、
高品質を維持し、地元県産材を使いながら、有害物質を限りなく発せず、
子育て世代が快適で健康な生活を送っていただくことを第一義としています。
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