人と未来の幸せのために、今、私たちの建築が求められている

熊本県熊本市 モデルハウス エコワークス㈱
九州・沖縄

人と未来の幸せのために、
今、私たちの建築が求められている

昨秋、「大屋根に包まれた暮らし」をコンセプトにモデルハウス「純香」を
オープンしたエコワークス。“人が集まる暮らし”を追求する九州生まれの建築家と
同じ「理念」を掲げ続ける地域工務店が協働した。

熊本県熊本市 エコワークス モデルハウス「純香」
設計=木下治仁 施工=エコワークス㈱ 写真=畑 拓

設計を手がけた木下治仁さんは、こう話す。「家族の団欒のスタイルが変わってきている。昔はテレビを中心に集っていたが、今はスマートフォンをいじったり、読書や家事をしたり。各々好きなことをして過ごしながら、家族が一つの屋根の下で安心感を持つ精神的な繋がりのある家にしたかった」。

間取りのポイントは玄関からすぐの「客間としてのダイニング」だ。LDKと独立和室、最大55坪の家族4人住まいの要件のほか、「最近は人の来ない家も多いようだが、人を招く家を考えた。そうすると、家が楽しくなる」と、木下さんの生活提案が反映された。東京より夏至の日の入りが30分遅い熊本の土地柄もあるのだろうか。「人が集まる暮らし」を追求した住宅なのである。

九州の縁と
人生観の理解

室内は天然乾燥された熊本産の球磨杉がふわっと香る。デザインされた引き戸を開けると、大屋根のもと、ゆったりと配置されたダイニングテーブルと、回遊できるアイランドキッチンが目に飛び込んでくる。庭に面して障子を引き込んだ掃き出し窓とベンチを添えたウッドデッキ。手前には、こもり感を持つソファスペースが配されている。1階の気配を感じながら、縦に繋がるのが2階の書斎やライブラリーコーナーだ。その空間全体をアールの天井がやわらかく包む。

木下さんの師匠である建築家の田中敏溥さんは、設計の基本を関係性・気配りだと言う。この家も関係性をもとに必要以上に区切らず、互いを尊重することで、家をより豊かにできるという考えだ。

小山貴史社長は木下さんとの協働について「新しいデザインとコンセプトに挑戦したいという考えがありました。エコワークスという社名の通りのコンセプトでZEH住宅など積極的に提案していますが、住宅の要素はそれだけではないわけで、ZEHやエコを超えたデザインの価値のようなものを提案できればいいなと思いました」と語る。小山社長は、学生時代に事業家として社会の役に立つことを目標として、IT業界を経て建築業界へ転身。木下さんは小山社長の、「事業を通じて脱炭素社会をめざし、結果的に未来の子どもたちにも喜んでもらえるような、環境にやさしい家づくりを、今の世代の人たちと一緒にしていく」という人生哲学に深い共感を抱いたそうだ。「僕はデザイン的な評価はできないし、しないという考え。生き方の部分で共通のものを持てた木下さんとコラボできたというのが価値ですね」(小山社長)。

鹿児島生まれで熊本大学出身の木下さんと、熊本生まれの小山社長。二人の九州人の心意気が、未来へのモデルハウスを創造した。

 

平面図 熊本県熊本市 モデルハウス エコワークス㈱

 

所在地 熊本県熊本市
家族構成 夫婦+子ども2人(想定)
面積 敷地 255.00㎡
延床 171.32㎡(1階 103.01㎡ 2階 68.31㎡)
竣工 2019年11月
設計 木下治仁建築設計事務所
施工 エコワークス㈱
構造形式 木造軸組工法
主な外部仕上げ 外壁=ジョリパッド
屋根=ガルバリウム鋼板
主な内部仕上げ 天井=檜、杉、和紙
壁=珪藻土、和紙、檜、杉、タイル
床=アカマツ、檜、杉

 

チルチンびと 104号掲載|電子書籍でご覧いただけます

 

エコワークス株式会社
〒862-0968 熊本県熊本市南区馬渡2-3-25
 
永く暮らす「住まい」のつくり手として、「未来基準」で建てることが大切だと考えています。
暮らした後も、ずっと人にも地球にもやさしい住まい。
地震に強く、安心・安全、そして省エネであること。
私たちは、住まいの基準性能を当たり前に考えることを大切にしています。

 

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