山の風が吹き抜ける家でお客をもてなす

山の風が吹き抜ける家で
お客をもてなす

四方に設けられた窓から見えるのは、山の緑や公園の桜。
家族が暮らし、親戚や友人が遊びにくる家を、
工務店のこだわりがつくりあげた。

兵庫県姫路市 注文住宅　井藤工務店　I邸
施工＝㈱井藤工務店　写真＝酒谷 薫

夫妻の希望を
工務店の情熱が叶える

「ただいま」。来る人がそう言いたくなる、気持ちのいい家が建った。「窓を全部開け放ったら風通しがよく涼しいんですよ」。そう語るのは、I夫妻だ。

夫妻は、奥さんのお兄さんが知り合いだったことがきっかけで地元の井藤工務店に家づくりを依頼した。「もともと平屋が欲しかったんですよね」と語るご主人。大学生になる息子がいつか家を建てる可能性を考えて、敷地にスペースを残すため２階建ての設計に変更した。また、寺社建築も手がける工務店だから、和室はぜひにと考えていた。「お花や五月人形を飾るための床の間もお願いしました」。

ほどなく、大工・設計担当の井藤善規さんが、弟で社長の勝仁さんと図面を携えてやってきて、家づくりが始まった。善規さんは、設計だけでなく大工棟梁も務め、竣工まで細かな提案をし続けた。大工の技を生かし、すべての建具を自社で制作。無垢材を使い、細部までこだわった和室も自慢だ。夫妻と同様にこの家を愛するのが、善規さん。「この家は自分が住みたい家。遊び心がたくさん隠れています」と語る。

客人を迎え入れる開放感

この家での楽しみは、景色。すべての開口部から緑がのぞく。善規さんはたまたま訪れたとき、「目の前の公園の桜が『ここ、僕ら咲くで』と訴えたから家の向きをちょっと変えたんです」と語る。キッチンに立つと春は満開の花の重みで枝垂れた桜が目に入る。1階の屋根を低く抑え、和室の天井を下げた設計で、2階の主寝室からも山や公園の緑がきれいに見える。階段の踊り場ではまるで一幅の掛け軸のような山の景色が迎えてくれる。

もう一つの楽しみは、来客者との時間だ。アウトドアが好きなご主人は、庭でのバーベキューで客人をもてなす。玄関に備え付けられた物入れはすぐに上着がかけられる工夫がなされている。広々としたシューズクロークも来客が想定されている。奥さんが料理をふるまう食事会が和室で開かれることもある。「息子のSNSのアイコンはキッチン。友だちからいい家やなって言われることもあるみたい」というほど、見せる収納が美しいキッチンは奥さんのセンスのたまものだ。

建築期間中ほぼ毎日現場に来ていたという奥さんは、「家ってこうやってつくるんやなと思いながら楽しんでいました」と話す。現場の善規さんからは毎朝のように報告の電話がかかってきた。「建ってしまったら電話がなくなったんですよ。さびしかったね」。これから先のメンテナンスも、工務店と密に連絡を取り合っていけそうだ。夫妻と工務店の温かな関係を見た。

 

 

所在地	兵庫県姫路市
家族構成	夫婦＋息子1人
面積	敷地 380m² 延床 127.52m²（1階78.25㎡ 2階49.27㎡）
竣工	2018年4月（工期2017年9月～2018年4月）
設計・施工	㈱井藤工務店（設計担当・大工棟梁：井藤善規）
構造形式	木造軸組工法
主な外部仕上げ	屋根＝三州瓦葺き 軒天井＝珪酸カルシウム板 外壁＝サイディング張り
主な内部仕上げ	天井＝プラスターボード下地　オガファーザー張り 壁＝プラスターボード下地　漆喰仕上げ 床＝杉無垢板厚15㎜素地仕上げ

 

チルチンびと97号掲載｜電子書籍でご覧いただけます。

 

㈱井藤工務店
〒679-2121 兵庫県姫路市豊富町神谷1288
 
住まいづくりへのこだわりが強ければ強いほど活きる工務店です。
ずっと変わらないお客様第一の想いとオンリーワンの住まいへの情熱そして代々受け継がれる匠の技
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