薪ストーブがある平屋で人生の新たな章が始まる
薪ストーブがある平屋で
人生の新たな章が始まる
子どもが巣立ち、終の棲処づくりを考えた南さん一家。
自然素材とパッシブデザインにこだわる地元工務店とともに、
憧れの薪ストーブを入れたバリアフリーの住まいを完成させた。
千葉県野田市 注文住宅 グッドリビング どんぐりの家 南邸
施工=㈱グッドリビング どんぐりの家 写真=輿水 進 文=林 菜穂子
念願の平屋と
薪ストーブ
緑が多く残り、盛夏の蝉の声が響く千葉県野田市の住宅街。杉板張りの外壁と広いウッドデッキが印象的な平屋建てが、今年6月に完成した南さんの家だ。
中に入ると、屋根や梁を現しにした開放的な空間に迎えられる。床・柱・天井には国産の杉を用いており、爽やかな香りに満ちる。リビング・ダイニングには堂々とした風貌の薪ストーブが据えられ、まるで守り神のような存在感を放つ。
この家に暮らすのは、清一さん・啓子さん夫妻と啓子さんの80代のご両親である隆さんとウメさん。お子さんが独立した後、築40年ほどの2階建てに住んでいたが、安心して過ごせる平屋に建て替えることを決めた。
夫妻は『チルチンびと』の愛読者であり、「家を建てるなら無垢の木の家がいい」「自然の光や風を取り入れて快適に過ごしたい」という思いがあったという。また、薪ストーブを入れることは、清一さんのかねてからの夢だった。「子どもの頃に祖父母の家で見たかまどや五右衛門風呂が強く印象に残っていて、子どもや孫に生の火の暖かさを教えてあげたいと思っていました」。
そんな夫妻が家づくりのパートナーに選んだのは、地元工務店のどんぐりの家。同社は自然素材にこだわり、光や風を効果的に取り入れたパッシブデザインの家を建てている。「『チルチンびと』を読んでどんぐりの家を知ったのですが、地元に本物の木の家を建てる工務店があることがわかり、ぜひお願いしたいと思いました」(啓子さん)。
心地よい終の棲処
家づくりの打ち合わせで夫妻は、子どもや孫が集まれる広い空間、足が不自由な隆さんをはじめ家族全員が安心して暮らせること、風がよく抜けることなどを希望した。それを受けて設計を行ったのは設計士の佐野一広さん。パッシブデザインの家づくりを信条とし、バリアフリーの福祉施設も数多く手がけている。
こうして完成した南邸の核となるのは、大人数が集まってもゆったりと過ごせる22畳のリビング・ダイニング。風の抜けも最高で、夏でもエアコンを使う必要はないという。また、リビング側の開口部の先は広々としたウッドデッキになっており、バーベキューなどを楽しめる。
バリアフリー対応も完璧で、エントランスから家の中まで段差はいっさいなし。玄関、洗面、トイレ、風呂などには手すりを設け、夜中に安心なセンサー式の足元灯も各部屋につけた。
念願だった薪ストーブは、家全体を1台で暖められる大きなモデルを採用。リビング・ダイニングの正面中央に設置したことで、空間にシンメトリーの落ち着きをつくりだしている。
この家で暮らし始めて間もない一家は、これからのことを笑顔で話す。「冬が来て薪ストーブを使うのが楽しみ」と清一さんが話せば、「薪ストーブ料理をみんなで食べたいね」と啓子さん。ずっと安心して暮らせるこの家は、四世代の楽しい集いの場となっていくのだろう。
所在地 | 千葉県野田市 |
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家族構成 | 夫婦+両親 |
面積 | 敷地 482.81m² 延床 127.02m² |
竣工 | 2017年6月(工期2016年12月〜2017年6月) |
設計および監理 | 佐野建築設計室 佐野一広 |
施工 | ㈱グッドリビング どんぐりの家 |
構造形式 | 木造在来工法 |
主な外部仕上げ | 屋根=ガルバリウム鋼板 外壁=杉板張り一部塗り壁仕上げ 軒天井=珪酸カルシウム板張り |
主な内部仕上げ | 勾配天井=杉板張り 壁=珪藻土塗り壁 床=杉板(厚30mm) |
㈱グッドリビング どんぐりの家
〒278-0026 千葉県野田市花井1-19-21
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