火のある暮らしのABC -街中の薪ストーブ・実践編 1階薪ストーブ

街中の薪ストーブ・実践編

火のある暮らしのABC

街中でもとことん薪ストーブを楽しもう——。
暖房だけではない、薪の調達などの冬支度も含めて、
薪ストーブは世界を変えてくれる。

監修=松原正明(建築家・松原正明建築設計室主宰) 写真=牛尾幹太 イラスト=鈴木 聡(TRON/OFFice)

 

街中の薪ストーブ・実践編

住宅地で薪ストーブは楽しめる? 近隣からのクレーム、薪の調達、
適した機種にメンテナンス、そして家づくりまで、気になるノウハウを網羅。
自らも東京板橋区の自邸で薪ストーブ生活を満喫し、
数多くの薪ストーブのある住宅を手がける建築家の松原正明さんと、住まい手を訪ねました。

1階 薪ストーブ2階 薪ストーブ

王道は1階薪ストーブ
+土間で蓄熱効果にも期待

東京都東久留米市 A邸  設計=松原正明

東京都東久留米市  A 邸  設計=松原正明

東京都東久留米市  A邸  設計=松原正明
玄関から続く土間を薪ストーブまでまわした。ストーブの灰がこぼれても、掃除が楽だし、そのまま庭に掃き出せる便利な場所にある。二人のお子さんもふだんはやんちゃだが、薪ストーブに火が入るとじっと見入っている。

昨年、家を新築するにあたり、薪ストーブ生活を始めたAさん夫妻。子育ての意味からも、火の大切さを教えたいとの思いがあった。庭の植栽で道路からの距離をとり、スタンダードに1階リビングに薪ストーブを入れ、2階寝室・個室に吹き抜けを介して暖気をまわす。玄関から薪ストーブまわりまでは、蓄熱効果を期待して土間に。当初、松原さんは1階を全面的に土間にすることも考えていたが、赤ちゃんがいたこともあり、段差なしで板土間も採用。

薪ストーブ生活1年目のご主人、当初はここまで薪ストーブにはまるとは思っていなかったという。「薪の調達などの冬支度に始まり、暮らしをとりまく世界が変わりました。樹種の違いで炎の表情も変わるし、気づけばぼうっと眺めています。テレビは見なくなりましたね」と語る。

クッキングストーブではないがお料理好きな奥さんは薪ストーブを大活用。スープを温めたりピザを焼くのはもちろん、最近は薪ストーブでコーヒー豆の焙煎も。子育て仲間を呼んで、コーヒーを楽しむ集いも催している。

 

薪ストーブは1階

 

薪ストーブデータ

《機種》ヘルゴン(スペイン)の「E-30M」。ガラス面が大きく炎がよく見える。
《薪の調達》近所の造園屋さんから、伐採した街路樹を中心に。
《愛用の斧》FISKARS(フィンランド)。カーボンで持ち手が軽くて使いやすい。
《使う頻度》11月~3月頃、日中曇りの日は毎日。
《薪ストーブ料理》ピザ、スープ、パン、パエリア、煮豆(おせちの黒豆、味噌づくりの豆など)、ジャム、焼き芋、コーヒー豆の焙煎も。
《好きな時間》ウィスキーを飲みながら炎を眺める時。
《失敗談》炉内が広いので太薪を入れたら、あっという間に400℃に。近くの壁が触れないほどの高温になり、あわてて遮熱板を制作。

 

1階 薪ストーブ2階 薪ストーブ

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