
山崎 洋子
やまさき ようこ
我が子のための本選びがこうじて、スタッフに。長年、子どもの本を読むお母さんの会で活動。ピアノとダンスと5月が好き。

毎月届く月刊誌「かがくのとも」が楽しみだった。通園途中に子どもと道端の草の名前を言ったり、本に記述通りの分量でしゃぼん玉を作ったがうまく飛ばなかったり、サンダルや泡だて器でしゃぼん玉を飛ばした思い出。しゃぼん玉はいつも幸せを運んできてくれる永遠のアイドル〜。(しゃぼんだまとあそぼう・253号)木の芽の写真に、なんだか笑っちゃうくらいに意表をつかれて驚き感動した絵本も。あちこちの木の顔を探して、子どもと一緒に大人も喜々として楽しんだ。(ふゆのめがっしょうだん・202号)
薄い一冊の本に込められた<かがく>は広くて深い。知らないことを知ることは、いくつになっても心が弾み、感動する。当たり前と思っていた事への疑問も未来へと繋がっていく。
『かがくのとものもと』〜月刊科学絵本「かがくのとも」の50年〜
1969年、アポロ11号が月面着陸に成功した年に発刊され、創刊号「しっぽのはたらき」から600号「つちはどこ?」までの思考の足跡と熱い想いが詰っている。子どもたちに、“かがくって、おもしろい”をつたえたい!好奇心の種を植え、その芽を広げて大きく花咲かせて欲しい。多くの人々が夢中になり取り組んできた<科学のおもしろさ>を子どもたちに伝える為に試行錯誤した大人の覚悟が伝わってくる。
「折込みふろく」では長谷川摂子、加古里子、谷川俊太郎、五味太郎さんなど、作家から読者へのメッセージや、一冊の本が出来るまでの過程などの貴重な資料も見逃せない。編集者の思いや福音館書店社長の松井直氏の“これからのこと”も興味深く読んだ。「かがく」の先に広がる世界に視野を広げてほしい。