人の体はその人が食べたものによって、つくられます。それが血となり、肉となり、細胞がつくりだされていきます。日々、何を食べているのか、どんな食事をしているのか、それは、人それぞれ、嗜好があります。職業柄、外食が多かったり、コンビニ食が多い人もいると思います。あるいは、家庭にいながらにして冷凍食品やデパ地下などのできあいの惣菜に頼っている人もいるかもしれません。食の定義は本当に多岐にわたります。

筆者は昔から料理に興味を持ち、高校生の頃からシュークリームを焼いたり、学生の頃は、ときどき自分でお弁当を作って持参したり、２２歳の頃には圧力鍋を買って、自分の分だけ玄米ごはんを炊いて、会社にお弁当を持参していました。子供が生まれ、娘がアトピー性皮膚炎であることが病院の診断で発覚してからは、マクロビオティック専門の二つのスクールで理論と料理を学びました。木火土金水のそれぞれが持つエレメントの特性のことや、ものには対極の性質の陰と陽があるという、陰陽五行説やその土地のものを食べ、季節のものを食べるという身土不二や丸ごと食材をいただく、一物全体など細かな定義があります。マクロビオティックの概念に準じて、娘にマクロビオティックの食事やおやつを与えていくうちに、娘のアトピーの症状は半年ほど経過した頃から改善が見られるようになり、成人に達した現在、その症状はほとんどありません。さらに、いまもなお虫歯が娘には１本もありません。これまで一緒にいる時間が長く、できるだけ口に入れるものは、自分で料理をして食べさせてあげたい、アトピーを少しでも治してあげたい、そんな思いから料理をしていました。それは、次第に家族だけではなく、仕事を通じて、私が主催するカフェイベントなどや料理教室でも美味しいものを人々に伝え、食べさせてあげたい、シンプルな発想からでした。

料理をすることは上手下手関係なく、誰に対して心を入れて、丁寧に作っていくか、思いを込めて作っていくかだと思います。適当に作った料理はやはり、それなりの味がします。ですが、ゆっくり丁寧な作業、時間をかけてつくりだされたものは、食べるとわかります。現在、誰しもが忙しい日常を送っています。料理に時間をとれないこともあるでしょう。しかしながら、たまに時間があるとき、誰かのことを思い、あるいは、自分の体のために料理をしてみると、食べたときに、そのエネルギーが食べた人に跳ね返ってきます。少しだけ料理をするときに、心を傾けて意識をして、料理をしてみてはいかがでしょうか。

今回は、夏のさっぱりとした夏野菜のぶっかけ丼をご紹介します。