現代は、西洋医学の発展に伴い、薬、治療薬が対処療法として進化しながら、有効なものが薬局などに多数の種類が溢れています。それに対し、症状に合わせて身の回りの有効な食材を使って対処する昔ながらの「お手当」というのがあります。字の如く、手を当てて療養に当たるという意味になります。代表的なお手当は、患部に手を当てるだけの方法。例えば、腹痛を感じたとき、お腹に自分の手を当て、さすったり、手を当て続けることで、手からエネルギーが与えられ、ヒーリング、癒され、軽度の腹痛であれば、しばらくすると、痛みが軽減したり、痛みの症状が消失したりします。また、熱があるときには、水切りしたもめん豆腐を適量ガーゼで包み、ひたいに当てて熱を下げたり、キャベツや青菜をのせて熱を下げたりする方法があります。のどが調子が悪い、鼻の通りが悪い、などの症状のときは、3年番茶に塩を少々入れ、冷ました番茶でうがいをしたり、荒療治的に鼻から3年番茶を入れて口から吐き出すといった方法があります。また、里芋パスターは、すりおろした里芋と小麦粉、少量の水を合わせて練りまぜ、湿布薬をつくり、患部に当てて、膿を吸い出したりするのに有効と考えられています。さらに、お腹を下したときは、腸内環境を整え、軟便を改善する陽性である葛が有用とされ、3年番茶にしょうゆ少々、水で溶いた葛粉をまぜて飲みます。もちろん、水で溶いた葛粉に白湯を注ぎ、飲んでもかまいません。私はこの方法で下痢を改善したりします。

昔、助産院で出産をしたときに、乳房が炎症を起こし、痛みと腫れがひどく、乳房が熱を持っていたとき、助産師さんに症状を伝えたら、生の青菜を乳房に貼ってくれました。陰性の葉が発する熱を抑えてくれ、次第に腫れがひいていき、痛みもなくなりました。手当はそのときに家庭で対応する食材で対処する方法、生活の智慧です。ただし、改善が見られない場合は、病院に行くなどの条件も視野に入れながら、症状の程度に応じて、生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
　
今回は、病気が治ったときに「おめでとう」の意味で食べる、小豆がゆのレシピをご紹介します。