『WA – HOUSE 横内敏人の住宅』と『NOTES 横内敏人の住宅設計ノート』の2冊が、小社から、2月10日発売される。その著作への想いと、上梓の経緯を、横内さんは『NOTES 横内敏人の住宅設計ノート』の中で、こう、綴っている。
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作品集を出すにあたり、同時にスケッチ集も出版することにした。この本と同じ装丁の愛用のスケッチブックは今で 54 冊目になるが、その中の思い出深いスケッチを1冊に集めている。
大抵の場合、家族が寝静まった後、居間のソファに座ってスケッチブックを開く、そして 3、4 時間の間建築の構想にふける。平・立・断面図がひと通りできると、すぐに外観と内観のスケッチを描くのが私のやり方だ。そしてそのスケッチを描きながら、仕上げや開口部のプロポーション、天井高、家具、照明、庭など、そのスケッチに描き込まねばならないすべてのものを決定していく。さらにどのような光がその空間を満たし、開口部からどのような景色を望むことができるか、頭の中で想像しながら注意深く鉛筆を進めていく。つまり、その家に住んでみるのである。
建築家は自分が設計した家に住むことができない。私がスケッチに固執するのは、それが理由なのかも知れない。いづれにせよ、その時間が私にとっては至福の時なのである。
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『WA – HOUSE 横内敏人の住宅』(定価・本体 10,000円+税)。
『NOTES 横内敏人の住宅設計ノート』(定価・本体 2,000円+税)。
風土社刊。2月10日発売予定。ご期待ください。