『チルチンびと』春 107号の発売です。昨今、売れ行き好調の本をみると、『おひとりさまの老後』ふうな老後ものが、目につきます。ならば、本誌は「60代、70代の家づくり」の特集で。つまり、終いの住み家の研究です。
実際に、親の家づくりを体験した建築家の提案など、具体的でお役に立つはず。
1人は、建築家・中山繁信さん。そのものズバリ「老後の家づくり」というタイトルで 1.敷地と道路の境界をあいまいに 2.外でも内でもない中間領域の効用 3.回遊できる間取り 4.閉じた街並みに開いたシニアハウス、と四つのアドバイス。たとえば、母の余生を送る家に、土間というあいまいな空間をつくり、家の内と外で気軽に会話を交わせるようにした話など。
もう1人は、建築家・岡本一真さん。「70代の家づくりのヒント」と題して、1.主屋との距離感 2.段差のない間取り 3.水まわりと物干し 4.温度差をなくす 5.手すり 、と五つのポイントに触れています。たとえば、各部屋の温度差をなくすために床下に設置したエアコンをどう使うか、など。
そして、建築家のセンスの感じられる事例もたっぷり。以下にご紹介します。
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「水平線を眺める家 / 暖かい吹き抜けに、美しい旋律を / コンパクトな暮らしと趣味の楽しみを両立 / 築110年の蔵をギャラリーに地域に開いた小空間 /〈特集〉祈りのかたち / 里山からの絵手紙 /〈特集〉八ヶ岳に移住する / うるしびと 会津の漆工藝家 村上修一 / リフォームコスト「床」/ 有機農業を続けるための木の住まい / 夫婦で仲間で、趣味を楽しむ、店舗併設の住まい / 森林と木材利用によるCO2吸収と削減 / 国産材の活用が日本の森と地球を守る /「国産材を活用し日本の森林を守るため共に行動する企業」に認定される / 連載・ベニシアと正、明日を見つめて など、充実の168ページ。
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『チルチンびと』春 107号は3月11日発売。お早めに書店へ。