『チルチンびと』80号に見かけた “古材上手” の言葉です。
骨董器の世界では、使うことで滲み出る肌の深みを「育つ」と呼ぶ。(古き土地に身を委ね、築250年の民家に暮らす・田中茂雄邸)
和花を見てもらう背景となるべき空間は、やはり日本ならではの古い建物で、と考えました。(古き良き歴史を受け継ぎながら、職住一体の町家暮らし・和花の店・みたて)
これでも3年前に新築で建てたんですよ。懐かしく見えるとしたら、古材や古い家具のせいですね。(アメリカの古材や家具をパッチワークのように紡いで・工藤邸)
コペンハーゲンで茅葺きの家を見たんですよ。維持も大変そうでしたが、立派でね。イギリスでも古い家に住むのがステータスなのです。(次世代へ、世界へ、古材の記憶と日本文化を伝えて・折田邸)
実はシロアリにも味覚があることがわかっています。不味いと感じるものは食べません。(古材を食らうムシたち・大村和香子)
太い丸太材を使って新しくつくる民家が古民家にかなわないのは、社会システムが異なる現代に表層的なデザインだけを真似しようとしているからではないでしょうか。(古民家はなぜ人の心を打つのか・三浦清史)
昔は良材に恵まれていてなお、樹皮に近く虫のつきやすい“白太”をわざと腐らせて、耐久性があり美しい色艶の“赤身”という部分だけを使っていたのです。(古材最先端・島村義典)
『チルチンびと』80 号のおもな目次。
〈追悼〉安西水丸さん ― 絵を描くことが大好きだった少年〈特集〉古材を見ると、ほっとする /〈保存版〉古材最先端・日本の古材、アメリカの古材・ 古材は強いは本当か・古材が買えるショップリスト・水栓金具にもアンティークの味わいを・アンティークの食卓、家具と食器の作法 / 古い着物への想い・古川三盛 / 鯰組 若きものづくりびとの肖像 /〈特集〉ウッドデッキを楽しむ・楽しくてワクワクする大空の子ども部屋 設計 大野正博・デッキ、縁側、外へと誘う空間 高木真人 / 古材を生かした美しい家 / 工務店がデザインする上質な木の家 /〈新連載〉書店びと・京都 恵文社一乗寺店
『チルチンびと』80号は、充実の216ページ。6月11日 発売です。定価[本体917円+税]