風土社は、いつもより、少しよそ行きの顔をしていた。3月7日。第2回「チルチンびと住宅建築賞」授賞式。入賞作品がパネルに貼られ、かざられている。式は、審査委員長・泉幸甫さんの挨拶から、始まった。(写真)
「今年の作品は、昨年に比べてレベルが上がったと思います。…… ここにある作品は、なんてことはないんだけれど、実は、よく見ると、プロポーションがキレイだとか、とても使いやすいだとか、耐久性があるだとか…… そういうものが、やっぱり住宅なんですね。…… 最優秀賞に選ばれた、三浦和さんの作品は、なんとも、当たり前といえば当たり前かもしれないけれど、よく見ると、これは建築としては空間的構造をもっているんですね…… 幾何学でいうと、数学的秩序をもっているんですね… … 真ん中に階段をもってくることによって、ヘヤとヘヤとの関係が、見え隠れするような状態にもっていっている…… それぞれの場所が、それぞれの風景をもっている……住宅における空間構成としては、実に、よくできている…… まあ、そんなカンジで、住宅の設計というのは、奇妙奇天烈なものをつくればいい、というものではなくて、当たり前のことなんだけれど、キチンとレベルアップしていければ、日本の住宅のいい姿が、生まれるのではないかと、思われます……」
このあと、それぞれの受賞作について、審査員が二人ずつ、親切な評とアドバイスを贈った。そして、晩餐。ささやかだけれど、あたたかい、会だった。
「チルチンびと住宅建築賞」の入選作、受賞の言葉、選考委員の評は、『チルチンびと』79 号に、掲載されています